Aligning a crystal using the Neutron Laue Diffraction Pattern Simulator for HRC(BL12)

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[Web tool] Neutron Laue Diffraction Pattern Simulator for HRC(BL12)

Step 3: Rotate the crystal in the simulation

(より詳しい日本語解説)

まず、英語版tutorialのStep 1にしたがって、格子定数の情報は入力できているとします。

次にOrientationですが、ここには実験者が考えている水平散乱面内にある2つの逆格子ベクトルをu, vに入力します。実際には水平面からずれていることもあるので、正しい方位を見つけるための「初期値」と考えてください。

また、u, vベクトルのうち、uベクトルの方は、「uベクトルがkiに平行な時にψ=0」としてψとωの変換式を求める時に使います。(uが水平面から外れていた時は、uの水平面への射影成分 u_h を使ってψが求められます)

このTutorialのデータでは、(H,0,L) scattering planeを意図して結晶が立てられているので、

  • u=(1,0,0)

  • v=(0,0,1)

と入力して「Set orientation」をクリックしてください。

次に「Simulation」タブ(右図(2))をクリックします。

次にSimulationタブの一番下でCamera angleセクションの「Vertical」スライドバーを一番右側に寄せてみてください。分光器の真上からの視点に切り替わると思います。

上で「Set orientation」した時の状態ではuベクトルが入射中性子と平行方向なので、Sample orientation viewerには右図のように、赤い矢印で示したa*の方向が画面上で横向きに表示されていると思います。画面上向きの青い矢印がc*です。

実際の実験では試料の軸方向はX線ラウエなどでおよそ分かっており、軸方向のマークを冷凍機上部フランジに書き写すなどして、およその方位が分かっていると思います。Sample orientation viewerをみながら、その方位を再現するように試料を回してみてください。

Run014190が測定された時には、c*軸が右図のように入射中性子方向から10度程度ずれた配置でした。

実際にその配置に持っていくには、「Sample rotation」セクションの「rotate z+/–」などのボタンを使って、z軸(鉛直方向、つまり右の画像では画面奥行き方向)を軸として、マイナス方向に約80度ほど回転させる必要があります。「rotate z-」を80回クリックしても良いですが、指が疲れるので、その前のテキストボックスにステップ角を入力して、その角度分だけ「rotate z-」させると良いと思います。

答えを書いてしまうと、

  1. z回転ステップを「79.4」として「rotate z–」を1回クリック

  2. y回転ステップを「2」として「rotate y–」を1回クリック

すると、およそ実験とシミュレーションが合ってくると思います。そこから、xyzのステップ角を全て「0.1」にして微調整して、ぴったり合う角度を見つけてください。

実験とシミュレーションが十分一致したと思ったら、その時の装置のω角をシミュレーションに入力します。

Run014190が測定された時はYUI上のω角は「0度」だったので、「Set the current orientation as "ω=」のところに「0」と入力して「Set」ボタンを押します。これで結晶の方位が完全に定まったことになります。

これ以降、操作できるパラメータはω角のみです。実際の装置でも我々がYUIから操作できるのはωのみです。

ここで「Go to ω=」の後ろのテキストボックスに「–30」を入力して「Go」をクリックします。すると、この試料でYUIから「ω=–30」を入力した時に相当する散乱パターンが得られます。これが実験と一致しているか確認するために「Load observed Laue pattern」から「Run014193.png」を読み込んでみましょう。このデータは実際にYUIでω=–30度に回転させたあとで測定したものなので、上記の操作が正しく行われていれば、ω=–30度のシミュレーションがぴったり一致するはずです。

一部、シミュレーションと重ならない点がありますが、これはEiを制限しているためです。「Setting」タブに戻り「Ei max」を増やしていくとシミュレーションの点が増えていきます。ただし、点を増やしすぎると計算負荷が非常に大きくなりますので注意してください。

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