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[S06] 難治性疾患の制御に向けた産学薬学研究者の連携起点

2024年3月29日(金) 09:45 〜 11:45 [313会場] 会議センター 313+314 (3F)  オーガナイザー:津川 仁(東海大医)、三宅 正晃(大塚製薬株)

がん、炎症性腸疾患(IBD)や感染症など難治性疾患の克服は、今なお大きな研究課題として残されている。これら難治性疾患の予防・治療戦略の創出を目指した研究は、徹底した基礎研究とその成果に基づいた応用研究の実践により産学の立場にとらわれず今この瞬間も精力的に展開されている。民間企業においても臨床組織検体を用いた応用研究は活発であり、新薬開発に向けて疾患発症要因の探索研究からはじまり、創薬標的分子の特定研究や開発薬剤の吸収・代謝予測まで前臨床試験を目指した研究が実践されている。研究成果をいち早く臨床還元するために、機動力あふれる基礎~臨床応用に向けた研究を実践するうえで産学連携は大きな成果を産みだしていくと期待される。本シンポジウムでは目標を同じくした産学の研究者がそれぞれの視点から展開する研究を突き合わせることで、将来の産学連携の在り方とその方向性について議論する。

<<シンポジスト>>

1) 今井 仁 (東海大学医)

2) 菅沼 名津季 (bacterico Co., Ltd. 慶應大薬)

3) 桑江 朝臣 (北里大院感染)

4) 岡 貴之 (ナニオンテクノロジーズジャパン) 

5) 松崎 潤太郎 (慶應大薬)  

6) 最上 祥子 (ツムラ漢方研究所)

腸管内での菌対菌コミュニケーションが常在細菌に病原特性を付与することを示し、腸内細菌叢組成が常在細菌キャラクターを改変し感染性疾患の発症起点となる可能性を提示した研究論文をリリースしました。 

Cyclic-di-AMP confers an invasive phenotype on Escherichia coli through elongation of flagellin filaments 

Gut Pathogens. 16: 6, 2024.

演者:梨本 尚

消化管内共生細菌Klebsiella penumoniaeのトランスロケーションを援助する菌体外膜小胞の役割

演者:椿 翔吾

菌体外膜小胞により細胞内へ送達されたsmall RNAによるマクロファージの機能改変

演者:津川 仁

Klebsiella pneumoniaeの生存戦略における菌体外膜小胞の役割 」 

演者:津川 仁

Klebsiella pneumoniaeのsmall RNAは菌体外膜小胞で宿主細胞内へ運ばれる

 高齢者を中心に重篤な全身感染症を引き起こす「肺炎桿菌」に対する宿主の防御応答に関する論文をリリースしました。

Gas6 ameliorates intestinal mucosal immunosenescence to prevent the translocation of a gut pathobiont, Klebsiella pneumoniae, to the liver 

PLoS Pathogens. 19(6): e1011139., 2023.

1)  International Society for extracellular vesicles 2023 (ISEV2023). Seattle, USA, Seattle, USA, 19th May, 2023  

2)  Cell Symposia: Infection biology in the age of the microbiome. Paris, France, 7the June, 2023.

椿 翔吾、 松崎潤太郎、吉岡祐亮、荒木琢磨、津川 仁  

Klebsiella pneumoniaeの細胞外小胞による宿主細胞のハイジャック」 

津川 仁「Co-infection with Streptococcus sp. and H. pylori enhances the risk of gastric carcinogenesis ワークショップ/ポスター演題

田中里佳 Enhanced cyclic-di-AMP signaling in adherent-invasive E. coli (AIEC) isolated from Crohn's disease 」ポスター演題

椿 翔吾 「Small RNA delivery by extracellular vesicles in Klebsiella pneumoniae ワークショップ/ポスター演題

 クローン病に関わる付着・侵入性大腸菌(AIEC)に対する宿主応答に関する研究論文をリリースしました 細菌側からの解析アプロ―チについてサポートさせてもらいました。

Adherent-invasive E. coli – induced specific IgA limits pathobiont localization to the epithelial niche in the gut” 

Front. Microbiol. 14:1031997. 2023.

@ Tsugawa Lab

津川 仁「発がん過程を制御する腸内共生細菌と宿主の生物界間シグナル」

Klebsiella pneumoniaeの細胞外小胞を用いたsmall RNAの宿主細胞内送達」  演者:椿 翔吾 

  医学部医学科3年次生の椿さんが日本細菌学会関東支部総会で「学生優秀発表賞」を受賞しました 

演題3「Klebsiella pneumoniaeの細胞外小胞を用いたsmall RNAの宿主細胞内送達」

   演者:椿 翔吾

演題4「Cyclic-di-AMPによる大腸菌のキャラクター変化」

   演者:田中 里佳

 「腸管粘膜バリアによる消化管内共生Pathobiont Klebsiella pneumoniaeの認識と病原性制御機構」

 「細菌が病原性を発動させる消化管内環境を考える」

胃発がん過程を制御するH. pylori以外の胃内共生細菌の探索とその役割 

 「胃内細菌叢の中から疾患発症に関わるPathobiontを狙い打て」

  The molecular reason why the gut commensal pathobiont Klebsiella pneumoniae disrupts the epithelial barrier and translocates to the liver」 

  一般シンポジウムS37 進化するがん征圧戦略:薬学的見地からがんを丸ごと捉える(Evolving strategy in the conquest of cancer)

   「加齢に伴う腸管粘膜フロントラインバリアの脆弱化による消化管内共生Pathobiont Klebsiella pneumoniaeの病原性発揮点」