「私たちの町には美術館がありません。美しい砂浜が美術館です。」高知県黒潮町にある長さ4キロの砂浜を頭の中で美術館に見立て、そこにある様々なものを作品と捉えるという考え方からできた、建物のない美術館です。作品は 24 時間、365日展示され、時の流れるままに変化し、流れ着く漂流物、波と風が砂浜にデザインする模様、沖に見えるクジラも作品である。このような見かたをすることで、今まで見過ごしてきた当たり前の風景や自然が、かけがえのない大切なものとなり、地域の資源に新しい価値を生み出すことができる。
楽しみ方に際限はなく、人それぞれの「作品の楽しみ方」がここにはある。そしてなによりも砂浜美術館の数々の作品は、人が豊かにそして持続的に生きていくために大切なことを教えてくれ、心の中に無形の作品を創造させてくれる。
今回のホネホネサミットでは、来場いただく方に新たな「標本」の見方や考え方を創出する場として、日本各地の自然環境や地域、生物を知ることのできる標本を活用したコンテンツが高知県、四国内の子どもたちの好奇心や探求心を深め、本質的な生物や標本の魅力・意義を学ぶ機会を創出することも目的としています。
子どもたちが将来、生まれ育った場所を離れ、他地域で生活するとしても、自然資源についても自分の言葉で話すことができる子どもたちが増えれば、それは地域にとって未来の営業マンや研究者となる。また、一般観光誘客促進による地域経済の活性化を図ることを目的とし、人と自然の付き合い方を考える砂浜美術館と、カツオクジラ館長に会いにいくツアーを行っている大方ホエールウォッチングとして、黒潮町の交流人口と地域資源を創出するため開催いたします。