会長挨拶

ご挨拶

平素より広島県細胞検査士会の活動にご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

 この度、広島県細胞検査士会の会長を拝命いたしました 川西なみ紀です。

 現在、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行により社会活動にさまざまな制限を受けていますが、当会としての新しい情報を提供してまいります。

 当会の歴史は長く、1966年に「広島細胞診研究会」という名称で、細胞診に関心のある医師と検査技師が集い勉強会が始まりました。これが現在の広島県臨床細胞学会のルーツです。

1974年「広島サイトスクリーナー研究部会(現在の広島県細胞検査士会)」が設立されました。その後、1985年に「日本臨床細胞学会広島県支部・細胞検査士会」の名称で学会組織として位置付けられ、会則等を備えた正式な会としての活動を会員数45名でスタートしています。そして、2013年に日本臨床細胞学会が公益社団法人化を実現し、各都道府県支部は独立した地域連携組織となりました。これに伴い、日本臨床細胞学会広島県支部・細胞検査士会は「広島県細胞検査士会」と名称を変更、現在では約200名の会員数となっています。

 初代会長の下野 満 氏から、上馬場是美 氏、橋口正大 氏、田中信利 氏、青木 潤 氏、小川勝成 氏、そして羽原利幸 氏へと歴代の会長に引き継がれました。

 医学・医療の著しい発展に伴い、細胞診を取り巻く環境も常に進化しています。技術も向上し、検体処理では液状化検体が導入され、免疫細胞化学染色の応用や遺伝子解析へと大きく発

展しています。しかしながら、純粋な形態学としての細胞診断は基本であり、それを極めるための判定基準や症例の積み重ねによる研鑽は重要なテーマです。

 当会では各領域の細胞形態学所見に加えて、最新の知識を習得できる研修会を開催し、会員のレベルアップを目指します。更に、当会が取り組んでいるもう一つ事業は、啓発活動です。子宮頸がん検診の啓発活動「Love49キャンペーン」,「リレーフォーライフ」,「がん患者大集会」,「県内各地で開催される健康展」などに参加し、顕微鏡を用いた癌細胞の説明やリーフレットの配布、がん患者の会や行政職員などの方々と交流し、社会的啓発と細胞検査士の信頼そして認知度の向上を目指しています。今後も創意工夫し取り組む所存です。コロナ禍により、今後しばらくは多くの人が集まることは困難な状況ではありますが、今までとは違った方法を考え工夫しながら、役員一同の結束力でこの困難を乗り切りたいと考えております。


                                               JR 広島病院   川西なみ紀