図3:(p-MePy-V)(TCNQ)・(CH3)2COのスピン1/2フラストレート正方格子。反強磁性相関J1-J3と強磁性相関J4の競合によってフラストレーションが生じている。
図4:(p-MePy-V)(TCNQ)・(CH3)2COにおいて正方格子を形成する二次元的な分子接近。ac面のラジカル相間にはTCNQアニオンと結晶溶媒であるアセトンが存在しており磁気的な二次元性が高められている.
「AFベース」としては、新規ラジカル塩(o-MePy-V)PF6によって磁場で安定化する特異な量子状態を観測することができています(トピック)。フラストレーションに起因したgapped状態とgapless磁気状態との間の量子臨界点近傍の物質も実現することができています(coming soon)。また、「Fベース」としては、Extended Haldane stateの形成を示唆する量子状態を観測することができています(coming soon)。これらの一連の物性検証によって、フラストレート正方格子の多様な量子性が明らかになってきました。四角形がつくるフラストレーションを基盤とした新たな量子物性研究を築き上げたいと考えています。
図5:フラストレート正方格子の2つのパターン.
更新日 2021/3/24