A scientist of biogeosciences
そんな質問にバシッと答えてみたい、そんなことを考えつつ、「温室効果ガス」「陸域生態系」「土壌」などを主なキーワードに研究してます。
「気候変動」や「温暖化」が地球規模の環境課題となって久しい今日この頃。その原因物質とされる「温室効果ガス」や密接に関連する「炭素・窒素・栄養塩」の環境中での動態がどうなっていて、今後どうなるか?を明らかにしていきたいと思っています。
地球生物圏の主要構成要素である陸域生態系を主なターゲットにしています。特に世界最大規模の分布面積をもつ北方林や北半球の重要な生態系である温帯林、そして湿原や草原、農耕地を主な研究対象としています。
生態系の重要構成要素である「土壌」「微生物」「植生」ができるだけ強く関与している物質動態研究が好きです。「土壌」については、北方林では「永久凍土」、温帯林では日本にも広く分布している「火山灰土壌」を扱うことが多いです。
「フィールド観測」と「培養実験」を研究テーマに応じて適宜組み合わせています。気象やガスの屋外連続観測データ、ガスクロや同位体比分析計、ICP-OES、次世代シーケンサーなどで取得した環境試料分析データ、そして人工衛星による地球生物圏の時空間変動データを様々な手法で解析します。
2025.07. 2本の新しい論文がそれぞれ Polar Data Journal 誌および Inland Waters 誌で受理・出版されました (Inoue et al."Spatiotemporally continuous temperature monitoring using optical fibers ( Loop 2 ) for ground surface and subsurface with various vegetations on a flat area with slope surface in the internal Alaska from 2016 to 2019"、共著者(5人中5番目)として参加しました)(Iwata et al. "Sub-daily variations in nitrous oxide fluxes from the littoral zone of a temperate eutrophic lake"、共著者(9人中5番目)として参加しました)。
2025.05. 今年から Soil Use and Management 誌で Associate Editor を務めています。
2025.04. 私(永野)が筆頭・責任著者として執筆した新しい論文が Discover Soil誌で受理・出版されました(Nagano et al. "Estimation of microbial biomass based on water-extractable organic matter from air-dried soils from Japanese forests and pasture")。土壌中で微生物として存在している有機物(土壌微生物バイオマス)を、土壌の標準的な長期保管形態である風乾土に対し水抽出を適用することで推定することを提案しました。本法の確立に依って、従来法では実施困難であった過去に採取され風乾状態となっているアーカイブ土壌を使った微生物バイオマス測定が可能になり、土壌の物質循環の要でもある土壌微生物バイオマス動態の地球規模での時空間変動把握などに貢献することを期待しています(本学HPにてプレスリリースも実施しました!)。【追記】日経新聞から取材を受け、Web記事にしてもらいました(こちら)。日刊工業新聞での記事はこちら。Press release in English is also now available on EurekAlert!
2025.04. 今年度から開始した科研費・基盤研究(S)「北方森林生態系の近未来像:永久凍土融解に対する生物圏機能の過渡応答」(25H00454)において、新潟大学の私の研究室で研究に取り組んでもらう特任助教を1名公募中です。
米国アラスカの北方林で実施中の永久凍土融解実験プロジェクトにおいて、土壌培養実験や土壌分析、また現地での温室効果ガス動態連続観測などに取り組んでもらいます。奮っての応募、心よりお待ちしております(6月30日締め切り。但し、適任者の採用が決まり次第、募集を締め切ります)!!
Now English version is available!
Please feel free to apply!
2025.04. 9月17日から19日に新潟大学で開催される日本土壌肥料学会2025年新潟大会と共に実施される若手の会 in 土肥2025新潟 の参加申し込みを開始しました!学会終了後の9月20-21日に1泊2日で新潟市-長岡市-五泉市の各土壌肥料関連施設を見学したり、研究交流を実施します。みなさまのご参加、お待ちしております!申し込みは https://sites.google.com/view/wakate-in-dohi2025 から!
2025.01. 私(永野)が責任著者、指導する大学院生が筆頭著者として執筆した新しい論文が EGU (欧州地球科学連合) のSOIL誌で受理・出版されました(Suzuki, Nagano et al. "Comprehensive increase in CO2 release by drying–rewetting cycles among Japanese forests and pastureland soils and exploring predictors of increasing magnitude") 。温暖化に伴う気象激甚化で危惧される土壌の乾湿サイクルが土壌有機物分解由来のCO2放出に及ぼす影響を、国内の森林で採取した10土壌の培養実験によって検証しました。乾湿サイクルによってCO2放出が全ての土壌で大きく増大し、CO2放出増大率の土壌間での違いを土壌中の金属-有機物複合体含量から予測可能であることを示しました。また、CO2放出増大に関与した炭素源として、これまで知られていた乾湿サイクルによる微生物細胞の破壊に加え、安定的な土壌炭素貯留を担うとされてきた金属-有機物複合体の破壊も 重要である可能性を示しました。鈴木さん、初論文おめでとうございます! 本学HPでの紹介はこちら (English ver. is now available here!)。SOIL のHPでもNewsとして掲載してもらいました(こちら)。JSTアジア・太平洋総合研究センター のポータルサイトでも取り上げていただきました(Here!!!)(中文版)。
2024.11. 新潟大学学長賞(若手教員研究奨励)を頂きました。益々、頑張ろうと思います。本学HPでの紹介はこちら。
2024.10. 新しい論文が PNAS 誌 (米国科学アカデミー紀要) で受理・出版されました (Ueyama et al."Anomalous wet summers and rising atmospheric CO2 concentrations increase the CO2 sink in a poorly drained forest on permafrost") (共著者(5人中3番目)として参加しました)。20年に渡る長期連続観測によって、永久凍土地帯の北方林における炭素動態の興味深い変化が明らかになりました。追伸:本学HPでのプレスリリースはこちら。
2024.10. 日本土壌肥料学会2024年度福岡大会において、当研究室所属の大学院生の口頭発表が若手口頭発表優秀賞を受賞しました(乾湿サイクルによる土壌の二酸化炭素放出増大に寄与した炭素源の推定:表層と埋没層の比較による検証)。鈴木さん、おめでとうございます!
2024.06. 企業との新たな共同研究が始まりました(共同研究企業HPでの紹介はこちら)(水田での温室効果ガス放出削減に係る共同研究です)。
2024.05. 新しい論文が Water Resources Research 誌 で受理・出版されました (Ikawa et al."Interannual Variations in Spring Snowmelt Timing of Alaskan Black Spruce Forests Using a Bulk-Surface Energy Balance Approach") (共著者(10人中7番目)として参加しました)。
2024.05. 新しい論文が Agronomy 誌 で受理・出版されました (Jin et al."Effect of Soil Acidification on Temperature Sensitivity of Soil Respiration") (共著者(9人中6番目)として参加しました)。
過去のお知らせはこちら
2021.04. 本Web Page を公開しました
2021.04. 新潟大学自然科学系 (農) に助教として着任しました