Research
広島大学病院をはじめ,様々な医療機関や医療機器メーカーと連携することで,医用画像可視化や医用画像解析に関する研究を行います。
主として,Computed Tomography: CTやMagnetic Resonance: MRなどの放射線診断機器で得た3次元画像のほか,検査に関連する様々な画像を取り扱います。
3Dプリンタ(KEYENCE Agilista-3200, FLASHFORGE Guider2)を用いて実験に必要な人体モデルを作成します。
外科手術支援システムの開発
体内臓器の位置を体表から事前に確認することは,安全な外科手術を行うために重要です。
事前にCT撮影で得た血管などの構造を,カメラで人体を認識しつつプロジェクタで正確な位置に投影することで,外科手術を支援します。
深層学習を用いたCT画像の定量化
X線を用いたCT撮影では,組織ごとのX線吸収率の違いをコントラストとして人体を画像科することができますが,成分を定量することはできません。
深層学習を用い生体内に投与したヨード造影剤の分布を定量化することで,病気の診断精度を向上させることができます。
CT撮影ではX線の強度が増すほど画質が向上しますが,検査による放射線被ばくの問題が深刻となります。
深層学習を用いてCT画像の画質を定量評価することで,診断能を保ちつつ適切なX線量でのCT撮影が可能になります。
3次元医用画像の可視化手法の開発
3次元データの中に多くの情報を含む医用画像ですが,目的によって見たい/知りたい情報が異なる場合があります。
目的ごとに知りたい情報を効果的に強調表示することのできる可視化手法を開発します。
非接触デバイスを用いた生体信号推定
光学カメラや深度カメラなどの非接触で取得した情報をもとに,心拍数などの生体信号を推定します。
精神科における診察(感情推定)や,患者さんの見守り(バイタルモニター)などへの応用が期待されます。
深層学習を用いた肺病変の自動分類
肺炎やびまん性肺疾患のCT画像では肺に様々なパターンの異常陰影が生じますが,定性的に陰影を分類すると評価者ごとにばらつきが生じます。
深層学習を用いることで客観的な画像特徴をもとに陰影の種類を自動的に分類し,医師の診断を支援します。
CT画像再構成法に関する研究
CT撮影では再構成処理によって断面画像(人体の輪切り)を得ることができます。
再構成法を最適化することで,CT画像の画質を高めたり,CT撮影に伴う放射線被ばくを低減させることができます。
CT造影検査の造影シミュレーション
CT検査では画像コントラストを向上させるためにヨード造影剤を検査前に静脈投与することがあります。
血液循環シミュレーションによるヨード造影剤の体内分布の算出は,造影剤投与法の最適化の研究に活用することができます。
研究設備
空間再現ディスプレイ:SONY ELF-SR1
リモートカメラシステム:CANON CR-N300
携帯型心電計:オムロン HCG-901
GPUサーバ:nvidia GeForce RTX 3090×2搭載Linuxサーバ複数台
広島大学医学部放射線診断学研究室と連携することで,臨床画像や広島大学病院の医療機器を使用した研究も行っています。
CT装置:キヤノン Aquilion ONE,GE Revolution CT,他
MR装置:Philips Ingenia 3.0T,Fujifilm TRILLIUM OVAL,他
PET/CT装置:キヤノン Cartesion Prime
3D Workstation:Ziosoft ziostation2,Fujifilm SYNAPSE VINCENT,他
3Dプリンタ:KEYENCE Agilista-3200