研究内容

低侵襲手術支援ロボットシステムの研究

センサレス力覚検知が可能な多自由度ロボット術具

低侵襲手術支援ロボットは,遠隔操作により術具の高い自由度と精密な動きを可能とするシステムであり,患者のQOL向上や医師の働き方改革に寄与することが期待されています.手術支援ロボットは国内外で実用化され普及が進んでいますが,システムの小型化・コスト低減・力覚提示などの課題は依然として残されています.当研究室ではこれらの課題解決に向けて各要素技術の研究開発を行っているほか,AIによる高度な手技アシストやタスク自動化の実現を目指しています.(共同研究:リバーフィールド株式会社,東京工業大学 只野研究室)

マニピュレータの遠隔操縦システムの研究

マスタ・フォロワ方式により,ロボットマニピュレータの位置や力を遠隔操作する手法として「バイラテラル制御」があります.当研究室では,空気圧駆動をはじめとした人間や環境への高い親和性・外力追従性を有する「柔らかい」マニピュレータや,小型で力センサが搭載困難な多自由度マニピュレータに対し,精密かつロバストな遠隔操作を可能とする新しいバイラテラル制御法の研究を行っています.また,本技術をAIロボットの技能学習に応用しサイバーフィジカルシステムを構築することで,高度なスマート遠隔作業システムの実現を図ります.(共同研究:東京大学 川嶋研究室)

空気圧アクチュエータの力順送型バイラテラル制御.mp4

2024.03.10 原口研卒業生の門田倫さんが「QuizKnockと学ぼうプレゼンツ みんなで卒論発表会にて発表した動画

ラボラトリー・オートメーションの研究

有機試薬合成の自動化システム.mp4

近年ロボットやAIを活用して科学の実験を自動化・自律化する技術が注目されています.当研究室では,既存の器具を用いた小型かつ低コストな自動化実験システムの構成法,ガラスなどの透明容器を高精度に認識するシステムの提案,また熟練者の手による巧みな実験操作のデータ化と自動化技術などの研究に取り組んでいます.(協力:東京高専 物質工学科   井手 智仁   准教授)

透明容器のリアルタイム位置認識.mp4

考案した画像マーカバンドによる透明容器のリアルタイム精密位置認識システム.専用容器や位置固定を必要とせず,ロボットの動作教示も必要ない.【特許出願済】

モバイルマニピュレータの研究

遠隔操作やマニピュレーション技術を応用し,モビリティと組み合わせた様々なロボットシステムを開発して社会実装を目指しています.

コンビニの品出し作業ロボット.mp4

店舗内商品の陳列・廃棄作業を行うロボット.WRS Future Convenience Store Challenge 2023 にてStock and Disposal Task 第3位入賞.(協力:大日本印刷株式会社,リーグソリューションズ株式会社,産業技術総合研究所,東京高専 多羅尾・冨沢研究室

草刈り/剪定マニピュレータ.MOV

道路・鉄道沿線の草刈り/剪定作業用ロボット(初号機).作業性を考慮した多自由度リンクアームを備え,所望の角度で立体的な刈取り作業が可能.(協力:東京高専   多羅尾 進   教授)

RGB-Dカメラを用いた道路脇の植生の3次元領域識別システム

空気圧サーボ駆動のエアリアルマニピュレータ.軽量・高出力・耐衝撃性などのメリットを生かした作業アームをドローンに搭載.