萩ジオパークの地質は、ペルム紀からジュラ紀の付加体を基盤【Stage 1】とし、過去1億年間にわたるプレート境界の多様な火成活動の変遷をたどることができる。
【Stage 2】巨大プレートの沈み込みに伴う火山―深成活動(後期白亜紀~古第三紀)
後期白亜紀~古第三紀の巨大高速プレート(太平洋プレート)の沈み込みに伴う大規模火成活動による火成岩類が萩ジオパークの地質の大部分を占める。
【Stage 3】日本海(背弧)形成に伴う海底火山活動(新第三紀)
北端部と沖合の見島には新第三紀の日本海拡大期(背弧形成)に伴う海底火山活動による火成岩類が分布する。
【Stage 4】フィリピン海プレートの沈み込みに伴う単成火山群の活動(第四紀)
中央部には、フィリピン海プレートの沈み込みに伴う第四紀火山である阿武火山群および青野火山群の二つの単成火山群の火山岩が広範囲に点在する。阿武火山群は、日本で111ある活火山(2018年4月現在)の中で静岡県の伊豆東部火山群、長崎県の福江火山群と並んで3箇所しかない単成火山群である。
萩ジオパークの地形は、第四紀以降の火山活動によって形成された地形で特徴づけられ、中起伏山地と交錯しながら小起伏山地や丘陵地(起伏量200m以下)が広がり、南西方向と北東方向に河川が発達している。
海と陸にまたがり東西40 km×南北25 km四方の区域に分布する阿武火山群は、約50の小規模な溶岩台地(溶岩平頂丘)およびスコリア丘を形成している。
青野火山群の噴火によって形成されたせき止め湖(古徳佐湖)は、湖水の流出によって河岸段丘を伴う盆地(徳佐盆地)となっている。また、徳佐盆地から日本海に注ぐ阿武川は、河口付近に三角州を形成し、山陰地域では少ない沿岸域の平野となっている。
阿武川河口の萩三角州と阿武火山群の島々