群馬高専で定期的にセミナーを開催しています.ご興味がございましたら,伊城または奈須田までご連絡ください.
次回のセミナー
第5回 2025年10月1日(水)
講演①(14:30~15:30)
講演者:岩田 英人(群馬高専)
タイトル:漸近公式の誤差項に対する解析的アプローチ
アブストラクト: J.KaczorowskiとK.Wiertelakは2010年に, Eulerの関数の漸近公式の誤差項に対して第二種Volterra 型積分方程式を考え, 誤差項を方程式の解となるパート (arithmetic part) とそうでないパート (analytic part) に分け, それぞれに対して下からの評価を得た. なお, analytic partについてはRiemannのゼータ関数に対するRiemann予想と密接に関係がある. さらに, J.Kaczorowskiは2013年にassociated Euler totient functionと呼ばれるEulerの関数の一般化を定義し, 漸近公式等の一連の結果を証明した.
本講演では上記の先行研究と関連した講演者の結果として, ある特別な条件を満たす数論的関数と呼ばれる関数とassociated Euler totient functionのそれぞれに対して第二種Volterra型積分方程式を考え, 方程 式の解や誤差項の分解を得たいと考えている. なお, 時間が許せば講演者が最近取り組んでいるarithmetic partとanalytic partの下からの評価に関連する取り組みについて紹介したいと考えている.
講演②(15:50~16:50)
講演者:成子 篤(群馬高専)
タイトル:ベクトル場の4番目のモードについて
アブストラクト:4次元ではベクトル場は4成分あるため、力学的自由度は最大で4つとなります。一方、通常の電磁場を考えると、力学的自由度は電場と磁場の2つのみです。これは、電磁場の運動項を記述する電磁場テンソルが反対称テンソルであるため、電磁場の空間3成分の運動項は持つものの、時間成分の運動項はもちえないからです。加えて、質量を持たない光・電磁場は、U(1)のゲージ変換に対するゲージ対称性を持ち、さらに力学的自由度が減り、その結果として2自由度となります (光は縦波成分はなく、横波のみです)。
光が質量を持つと(光の質量は実験で、m<10^{-18}eV=10^{-51}g、と非常に厳しく制限されていますが)、ゲージ対称性が失われて1自由度復活し、3自由度の理論となります。
さて、ベクトル場に対して非自明な運動項(例えば重力場との結合など)を考えると、一般には4番目のモードが励起されることになります。ところが、私のごく最近の研究によると、4番目のモードには不安定性が潜んでいるようです。
セミナーでは基礎的なところから始めて、最新の結果まで紹介したいと思います。
問い合わせ先:((at)は@に置き換えてください)
伊城 慎之介(ishiro (at) gunma-ct.ac.jp)
奈須田 祐大(y.nasuda (at) gunma-ct.ac.jp)
〒371-8530 群馬県前橋市鳥羽町 580番地