こんにちは!スタッフゆうこです。
5/11に葛西リサ先生をお招きして、東灘区ジェンダーしゃべり場が開催されました。
今回もたくさんの方にご参加いただき、ありがとうございました!
シングル女性やひとり親世帯、DV被害者の住まいの問題などについて、とっても貴重なお話を聞かせて頂きました。
日本ではあまり意識されていない、ハウジングライツ(全ての人に安心安全に住む権利がある)。
本当に、住宅問題はまさしく人権問題だ!と学ばせて頂きました。
まず驚いたのが、先生が研究を始められた頃には、シングルマザーや単身女性の住宅についてのデータが全くなかったそうです。
そもそも戦後の住宅政策が、両親と子ども2人という「標準世帯、家族を作ること」を前提で始まったそう。
国が見たくない、関心がないことは、いないものとされてしまっていて、統計もとられない。ゴリゴリにジェンダーや社会構造の問題ですね…
家父長制的な価値観のもとで、個人の尊重も福祉国家もあったもんじゃないですね…おのれ、家父長制!
阪神淡路大震災で一番多く亡くなったのは、ひとり暮らしの高齢女性だそうです。その理由は、家賃の安い、古い木造アパートに住んでいる人が多かったから。
ひとり暮らしの高齢女性の貧困率の高さも、最近やっと報道されるようになりましたね。
日本では、多くのシングルマザーが離婚前後に貧困に陥り、住宅問題に直面してしまいます。公営住宅に入るにも、まだまだ保証人制度が残っている自治体も多くあります。
退去する際、家具からカーテンから何から何まで(なんと風呂釜まで!)全て外して元通りにしないといけない物件も多いそうで、新しく入る人にとっては、すっからかんのハコ状態。家具をそろえる初期費用のない人もいますよね…
「居住福祉とは、人間がどう幸せに生きていくか。ハコ(住居)さえあればいいわけじゃない」という言葉が印象的でした。
住居があっても、人はケアがないと生きていけません。
近所に子どもの世話をしてくれる人がいる、子どもの学校が変わるのは難しいなど、「このエリアの地域インフラ、ケアがあるから生きていける」という方が多く、住まいというハコだけの問題ではありません。
福祉としての生活を見る厚労省と、住宅のスペックだけを見る国交省、縦割りで別々に機能していて分断があることも背景にあるそうです。
賃貸に住む中高年女性の多くも「老後も住み続けられるのか?」「親が死んだら保証人どうする?」と常に不安を抱えています。
シングル女性は50代後半でも、賃貸の貸し渋りにあうことがあるそうです。女性労働者の半分は非正規、賃金も上がらず公助もない中で、どうして「女性活躍」とか言えるのでしょうね…
さて、ここからは「夢の国」のお話!
子どもの貧困率が世界一低いデンマークでは、学費や医療費も全て無料。
ひとり親もキャリアアップのために大学へ行けます。たとえ50歳でも、学び直したいなら大学へ行けます(学費が無料なだけではなく、生活費の補助まであるそう)そのためのシェアハウスが大学の近くにあります。
日本ではDV被害者はすべてを捨てて「逃げる」一択しかありませんが、デンマークでは「加害者のほうが出て行く」のが当たり前。
DV被害者のシェルターに住む人でも学校へ行けます。地域全体で見守る体制があり、警察ともしっかり連携しています。
「ブッシュが来てもドアを開けるな、ポリスが来たら開けろ」というポスター?の貼られたシェアハウスもあるそう。
彼女たちいわく「私たちは何でも叶えられる国にいる」
おんなじ地球の話ですか?おんなじ人類の話ですか?(号泣)
北欧では「学ぶ権利」「快適に暮らす権利」が全国民に浸透しています。社会通念、もしくは行政の考えのベースが「人権」なのか?「自己責任」なのか?で、こんなに異世界のようになるのですね。
アメリカでも「住まいは権利、ハウジング・ファースト」と考えられています。ホームレスの方々に住宅を提供することで、路上に逆戻りする人が一気に減ったそう。
イタリアでは精神病院を廃止して、患者が地域で住めるようにノーマライゼーションが進められています。
人権として、誰でも、どんな状況でも地域で住めないといけない、それが普通(ノーマル)な状態であり、全ての人に優しい住みやすい社会。当たり前のはずだけど、日本では眩しすぎるような、めちゃくちゃ素敵な概念ですね。
「夢の国」と比べると、ヘルジャパンに絶望しそうになりますが、日本でもソーシャルグッドな動きが増えてきているようです!
例えば、福岡の三好不動産では、高齢の入居者を多く受け入れて、対面販売のヤクルトを取ってもらうそうです。対面販売なので、会えない場合は安否確認のためケアスタッフに繋げる事ができます。
民間だからこそのユニークなアイデアですよね。最近は猫と暮らしやすい物件まで始めて大人気だそうです。すばらしすぎる。。
また、豊島区では、市場に出ていないような空き家を、職員が足を使って探して周り、空き家活用に活かしています。
物件の大家さんが「金儲けに使われたくない、大事に使ってほしい、社会貢献もしたい」と考えていても、不動産屋さんに不信感を持つ大家さんも多く、なかなか市場には出てこない。
そこへ行政が入ると一気に信頼されるため、スムーズに不動産屋さんへ繋げられるそう。
こんな不動産屋さんや行政スタッフさんが全国にどんどん増えていってほしいですね。
それもこれも、葛西先生のような方たちが、行政の隙間で救われない人達や、家父長制から排除されるケアを研究し、民間と行政の間の通訳者となって下さってきたおかげだ…と感動してしまいました。葛西先生、本当に貴重なお話をありがとうございました!!
こんにちは!東灘区ジェンダーしゃべり場スタッフのゆうこです。
3/3(日曜)は、灘校の片田孫朝日先生をゲストにお迎えしました!
た〜くさんの方に起こし頂きありがとうございました!
以下、ほとんど個人的な感想ですが、どうかご容赦ください〜
本当に本当に、めっっちゃ尊いお話でした…
男尊女卑濃度の高いヘルジャパンの空気を吸ってたら、子どもをただ「のびのび自由に」させてるだけじゃもう、有害な男らしさを再生産しちゃう事がよく分かりました…
かといって大人が介入するって、めっちゃムズそう!本当に親にも教育者にも、ジェンダー学や男性学が必要なんだと思いました。
また、「子どもが自分自身の人権と気持ちを大切にできるように」というお話は、「ほんそれや…ほんそれです、先生…!」と膝パーカッションでした。
(このレポ書くまでホンソメワケベラをホンソレワケベラと勘違いしててネタ候補でした、1コ学んだ)
灘高生に「本当に医者になりたいの?それは君の本当の気持ちなのかな?」と聞ける片田先生、すごい…!!異世界転生先の魔法使いですか…!!
「全ての子ども達にキチンと人権を教えて健やかに育てる事にこそ、税金使えよ〜!」と何見ても激おこの毎日ですね。
あと印象的だったのは「灘校は日本のヨーロッパ」という話。
灘校は夕方4時頃には職員室にほとんど人がいないそう。
片田先生も夕方5時には学校を出て、お子さんを保育園にお迎えにいき、家で晩ごはんを作っているそう(妻さんの方が帰宅は遅いそうです)
しっかり子育てをして、趣味や社会活動も満喫されてる片田先生。
新自由主義に絡め取られない、人間らしい幸福なライフスタイルのモデルを直に見られる灘校生が羨ましい!
どうか社畜奴隷制度をぶっこわすエリートになっておくれ…と、公立校息子の母は勝手に願掛けしてしまいました。
しゃべり場には片田先生の教え子さんも来て下さって、「先生の授業の中でどれが1番良かった?」と聞くと「痴漢についての授業」と仰っていたそうで…
さんざん矮小化されてきた性犯罪が男子校の授業で…(感涙)人権や性教育を学ぶ権利が守られていて素晴らしいですね。
学力含めたパワーゲームやイジり問題に対しても「自分の気持ちを大切にする事、言語化する事の大切さ」をお話しされていました。ホンソレ!
終了後も、たくさんの参加者さんが入れ替わり立ち替わり先生に質問に並んで、大人気でした!
かくいう私も個人的な質問に丁寧にお答え頂き「男の子も『今ハグしてほしい気持ちなんだ』とか言える事はとってもキュートで魅力的な事で、キュートな事は決して女の子だけのものじゃない」など、キュン死しそうな名言を頂きました❤
片田先生、参加者の皆さま、本当にありがとうございました!!
次回、第13回東灘区ジェンダーしゃべり場は、5/11 (土曜) 14時〜開催予定です!
またまた素敵なスペシャルゲストに来て頂きますので、皆さまぜひ遊びに来てくださいませ〜!
聞き専オッケー!
\お気軽にご参加ください/