エッセー(坂口彰)

「8020」を達成するためには


殆どの方は「8020」と言う数字をご存じと思う。この「8020」は80歳で20本の歯を残そうと言うものである。

成人の歯の本数は標準で上下28本である。

歯磨きに関しては「3,3,3」という数字もある。食後30分以内に、1日3回、3分間歯を磨こうと言う事である。

私は元来歯が丈夫で、梅干しを食べた後は必ず種を歯で割り、実を食べていたが、歯に余り良くないので、60歳になる前に種を割ることはやめた。70歳の時には上の刺し歯1本が抜けて27本健在であった。「8020」は簡単に達成出来るだろうと思っていた。

ところがである。歯周病のせいか、75歳を過ぎて上の歯が次々と抜け出し、毎年のように入れ歯を作った。下の歯は、まだ9本残っているが、残念ながら「8020」の達成はならなかった。

昨年上の歯がとうとう3本になり、これ以上抜けると入れ歯を支えられなくなるので、歯科衛生士さんに指導を受け、これまでの3分間の歯磨きではなく、砂時計の5分計(正確には4分40秒)で5分間ほど磨くことにした。歯磨きというと「歯」を磨くと言う印象があるが歯を磨くのではなく、歯と歯茎の間をやく10gの力でブラッシングするのである。これで歯茎が引き締まり少し動いていた歯もしっかりとなった。このまま約5分の歯磨きを続けていると、多分これ以上歯は抜けないだろう。

余談ですが、スエーデンでは、歯ブラシに2cmの歯磨き剤をつけ十分にブラッシングした後、口をすすがないとの事。歯磨き剤に入っているフッ素を流さないためである。このため国民の虫歯罹患率は1割もないとの事。私もこれにならい、歯磨きの後、ペースト状ではなく、ゼリー状のシュミテクトの「息フレッシュ&口中クリーン」を歯間ブラシに付けて、歯間に塗っていて、フッ素の効果を期待している。

皆さんも是非「8020」を達成してください。自分の歯で食事をするという事は、健康上大切。