プログラミング言語Ⅰと実習
1 年生前期II群の科目
概要と目的
本科目は、情報処理技術を習得する上で最も基礎となる科目です。プログラムを作成するには、プログラミング言語の知識(構文や書き方およびその意味)を習得する必要があります。具体的なプログラミング言語として、広く用いられているC言語を取り上げ、C言語の文法や構造の基礎を学び、課題を解決するためのプログラムを記述する基本手法を習得します。
目標
C言語基本的演算と型について説明できる。
条件分岐処理や繰り返し処理について文法と使い方が把握できる。
配列の特徴および使い方が説明できる。
関数を使う利点、引数の意味や使い方について説明できる。
講義内容
C言語プログラミングの概要(C言語の基本,画面表示printf関数)
C言語の基本作法(変数と宣言,読込みscanf関数)
演算と型
プログラムの流れの分岐(if文,等価,関係,論理演算子)
プログラムの流れの分岐(switch文)
プログラムの流れの繰返し(do文, while文)
プログラムの流れの繰返し(for文)
プログラムの流れの繰返し(多重フープ)
C言語の構造(プログラム要素と書式)
配列と多次元配列
関数(関数の定義,ライブラリ関数,数学関係の標準ライブラリ)
テキスト
教科書:「新・明解 C言語入門入門編 第2版」,柴田 望洋,SBクリエイティブ
参考書:「速習C言語入門 第2版」,菅原 朋子,マイナビ出版。「プログラミング言語C 第2版」,B.W.カーニハン D.M.リッチー 石田晴久,共立出版
学生へのメッセージ
この講義は、電子情報技術科、情報システム技術科の他の科目とも深く関係しているため、十分な復習を行い、レポートを必ず自分で完成してください。理解ができない内容があれば、随時講師に質問して下さい。加えて、復習だけではなく、予習を必ず行って下さい。予習・復習の目安として 60時間の自習を行って下さい。
プログラミング言語実習Ⅲ
2 年生前期の科目
概要と目的
Visual Basic for Applications (VBA)は、Microsoft Office に含まれるアプリケーションソフトの拡張機能で、利用者が簡易なプログラムを記述して実行することで複雑な処理の自動化などを行なうために用意されたプログラミング言語です。Microsoft Office のアプリケーションにおける、繰り返し行われる定型的な作業や複雑な処理を自動的に実行するためにVBAは多くの場面で活用され,簡単に高度なデータ解析・可視化を実行可能となります
目標
Excel VBAのプログラムを作成できる。
ユーザーフォームを用いたプログラムを作成できる。
BAを使って,Execlの自動操作のマクロが正しく使用できる
講義内容
Excel マクロ、Excel VBAの概要とエディタの操作方法
VBAの基本用語と基本構文、オブジェクトでExcel機能にアクセス
変数と演算子
繰り返し処理のFor文
条件分岐のif文とSelect文
メッセージボックスやダイアログボックスを使った対話型のマクロ利用
日付や時刻を取得、操作する関数の利用
配列の基本構文や動的配列
マクロの実行とデバッグ
目的のセルへアクセス
自動表計算
データの解析
Web上のデータをExcelに取り込み
数値計算への応用
テキスト
教科書:「Excel VBA 教科書」,古川 順平,SB Creative 社
参考書: ①「Excel VBA 本格入門」,大村 あつし,技術評論社。②「例題30+演習問題70でしっかり学ぶ Excel VBA標準テキスト」 近田順一朗 技術評論社
学生へのメッセージ
プログラミング技術を習得するには、文法だけでなくアルゴリズムも重要です。VBAの文法的な特徴だけにこだわらず、どのような処理をさせることが最適であるかを意識し臨んでください。十分な復習を行い、理解が浅いと思われる分野については、随時講師に質問してください。加えて復習だけでなく、予習を必ず行ってください。予習・復習の目安として60時間自学を行ってください。
オペレーティングシステム
2年生前期の科目
概要と目的
オペレーティングシステム(OS)は電子計算機に欠かせない存在になっています。アプリケーション・プログラムやユーザに対して共通の機能を提供するとともに、ハードウェアを効率良く利用するための基盤ソフトウェアである。本講義では、オペレーティングシステムの基本的な概念や構成、動作などについて学習します。
目標
オペレーティングシステムの役割について基本的な知識を習得できる。
プロセス管理、システム管理、メモリ管理などについて、基本的な概念が理解できる。
ファイル管理、ネットワーク構築が把握できる。
講義内容
オペレーティングシステム概要:オペレーティングシステムの役割,プログラムの処理形態
プロセス実行管理: プロセスの競合,協調,干渉,排他制御,セマフォア,プロセス協調,並行プロセス処理,モニタ
記憶領域管理: 主記憶装置の管理,レジスタ機構,領域割当,プログラムの記憶領域確保,ページング,動的再配置,セグメンテーション,多重レベルページング
仮想記憶: 仮想記憶システム,スワップスケジューリング,記憶装置の局所性,静的と動的ページ置換えアルゴリズム
仮想化: 仮想化の背景,方式,CPUへの支援機能
テキスト
教科書:「オペレーティングシステム(第2版)」,松尾啓志著,森北出版
参考書:「オペレーティングシステム」,大澤範高著,コロナ社。「コンピュータアーキテクチャ(改訂2版)」,野口,光木,品川,オーム社
学生へのメッセージ
OSは、ソフトウェア分野において、コンパイラとともに、計算機科学(Computer Science)における最も重要な成果が集約されています。この講義は、情報技術の基礎となる科目で情報システム技術科の他の科目とも深く関係しているため、十分な復習を行い、理解できない場合、随時講師に質問して下さい。
情報セキュリティⅠ
2年生前期の科目
概要と目的
インターネットと情報技術の発展・普及に連れて、新たな危険性も潜んでいます。コンピュータウイルスやスパムメール、DoS攻撃、不正侵入、電子詐欺、プライバシー侵害などが頻繫に発生しています。これらの危険性を回避・防止するため、情報セキュリティが非常に重要な課題になっています。本科目は、まず情報倫理と情報セキュリティの基本要素について学習し、情報社会の様々な危険性・脅威を理解し、その対策および基本的な情報セキュリティ技術を学びます。
目標
情報セキュリティ基本要素・方針が理解できる。
情報倫理を把握できる。
インターネットによる様々な攻撃・脅威・危険について理解できる。
OSやソフトウェアの脆弱性について説明でき、脆弱性への対策が理解できる。
情報セキュリティ対策・技術を把握できる。
講義内容
情報セキュリティ概要:情報社会と情報セキュリティ,情報セキュリティの基本要素と基本原則
脅威と危険: 情報の窃取・漏洩・流出,改ざん・詐称,不正侵入,サイバー攻撃および対策,電子詐欺,フィッシング詐欺,公序良俗に反するサイトなどの犯罪および対策,サイバー攻撃,DoSとDDoS攻撃,DNSサーバ攻撃および防ぐ方法
脆弱性:セキュリティホール,設定ミス,管理体制の不備などの実例,クライアントとサーバの問題、情報の改ざん、ウイルス,脆弱性を塞ぐ方法
情報倫理:ネチケット,法的な制約,著作権侵害,プライバシー侵害
対策と技術:ファイアウォールの仕組み,プロキシサーバー,プロキシの種類と仕組み,暗号化の仕組み,暗号の生成,電子署名,電子証明書と認証技術,SSL/TLSの仕組みとSSL/TLSWebブラウザ,ファイル共有(交換)ソフトの危険,P2P、Winny
セキュリティ診断:脆弱性診断,ペネトレーションテスト,プラットフォーム診断,アプリケーション診断
データの保全技術:SAN技術,RAID技術,NFS,CIFS
テキスト
教科書:自作(PDFファイル)
参考書:「情報セキュリティの基本と仕組み」 相戸 浩志 著 秀和システム。「情報セキュリティ教科書」,高田,南,東京電気大学出版局学生へのメッセージ
学生へのメッセージ
情報セキュリティの確保はネットワーク環境が便利になった現在、大きなテーマとなっています。これからの情報処理関係の技術者には特に必須知識となります。授業時間以外でも新聞などに目を通し、いろんなセキュリティ関連情報を吸収してください。後学期の情報セキュリティ IIの受講を強く勧めます。
情報セキュリティⅡ
2年生後期の科目
概要と目的
インターネットと情報技術の発展・普及に連れて、新たな危険性も潜んでいます。コンピュータウイルスやスパムメール、DoS攻撃、不正侵入、電子詐欺、プライバシー侵害などが頻繫に発生しています。これらの危険性を回避・防止するため、情報セキュリティが非常に重要な課題になっています。本科目は、情報セキュリティ基本技術の暗号技術、認証技術について学習し、情報社会におけるセキュリティ対策・技術を身に着けます。
目標
情報セキュリティの基本的な暗号技術が理解できる。
情報セキュリティの認証技術を把握できる。
対称暗号方式(共通鍵)と非対称暗号方式(公開鍵)が理解できる。
講義内容
情報セキュリティ技術概要:暗号技術,認証技術,セキュア技術,セキュリティマネジメント
共通鍵暗号:換字暗号、転置暗号,DES,AESとその他共通鍵暗号
乱数:暗号用の乱数生成,モノビットテスト,ポーカーテスト,LFSR,FSR,疑似乱数の評価
公開鍵暗号:RSAとその安全性の検証,エルガマル暗号、その他公開鍵暗号
認証技術:相手の認証,PKI,デジタル署名,認証子法(MAC),冗長暗号化法,メッセージ認証,ユーザ認証,時刻認証,ゼロ知識証明,フィアット・シャミア法
セキュア技術:真正確認,アクセス制御,権限管理,セキュアOS,セキュアサーバ
セキュリティ対策:盗聴,情報漏えい,記録媒体廃棄,メールセキュリティ,Webアプリセキュリティ,データベースセキュリティ,スパムメール
情報セキュリティマネジメント:情報セキュリティ管理体制,プライバシー保護,人的セキュリティ
テキスト
教科書:自作(PDFファイル)
参考書:「情報セキュリティの基本と仕組み」 相戸 浩志 著 秀和システム。「情報セキュリティ教科書」,高田,南,東京電気大学出版局学生へのメッセージ
学生へのメッセージ
情報セキュリティの確保はネットワーク環境が便利になった現在、大きなテーマとなっています。これからの情報処理関係の技術者には特に必須知識となります。授業時間以外でも新聞などに目を通し、いろんなセキュリティ関連情報を吸収してください。前学期の情報セキュリティ I の受講を強く勧めます。
数値計算実習
2年生後期の科目
概要と目的
数値計算法は、コンピュータを用いて数学問題を解決・処理するアルゴリズムであり、数学の応用上で数式を解析的に(公式で)解けない、または、直ちに解けない場合、誤差許容範囲で近似値を求める方法である。本科目は、連立方程式、テイラー級数による近似計算、方程式の解法、多項式関数による補間と近似、数値積分法、常微分方程式解法などの数値計算アルゴリズムについて学び、実際にC言語、Excel、Excel VBA、Python言語を用いて、アルゴリズムを実装と検証します。
目標
基本的な数値計算法のアルゴリズムが理解できる。
数値計算法のアルゴリズムをもとにC言語、Excel、Python言語で実装できる。
コンピュータで数値計算を行う場合に生じる誤差について理解でき、処理することができる。
講義内容
数値計算法の概論:数値計算の役割,誤差
方程式の解法:ニュートン法,はさみうち法,2分法
連立方程式の解法:行列の演算,Excelでの計算法,ガウス・ジョルダンの消去法,ピボッド選択付きガウス・ジョルダンの消去法,LU分解法,ガウス・ザイデル法
近似計算:テイラー級数による近似計算
関数補間法:多項式関数のラグランジュ補間法
関数近似法:最小2乗法による近似法
数値積分法:台形公式法,シンプソン法,ガウス・ルジャンドル法,2重積分,多重積分
常微分方程式の解法:オイラー法,ルンゲ・クッタ法と高階微分方程式の処理
上記の数値計算学習を補助するため,Excel VBA, C言語,Python言語のプログラムを無償提供します(ここクリック)。
テキスト
教科書:「Excelによる数値計算法」,趙 華安,共立出版
参考書:「例題で学ぶCによる数値計算プログラミング」,森本義廣・黒瀬能聿編著 岡野大・阿萬裕久・菅原智裕共著,日本理工出版会。「C言語による数値計算入門」,皆本 晃弥著,サイエンス社
学生へのメッセージ
今まで学習した数学問題(例えば,方程式の解法,線形代数、積分など)をコンピュータで解くにどうすれば良いのか,これをサポートしているのは数値計算法です。数学知識に加え、数値計算のアルゴリズム(手法)を勉強し,Excel,C言語とPythonで実装する力を身につけます。情報処理,データ解析などの総合的な能力が育成されます。