2023関東・秩父 全国大会 教育分科会

各地の事例から考える ジオパークの教育・学習の意義とは?

ジオパークで行われている教育・学習にはどのような意義があるのだろうか。各地のジオパークの教育事例・学習事例を報告をもとに、ガイドラインや全国大会の流れも含めて、ジオパークの教育・学習の意義について参加者同士で対話します。

日時 2023年10月28日(土) 13:00から16:00
対面会場 ジオパーク秩父 秩父宮記念市民会館(埼玉県秩父市熊木町8-15)けやきフォーラムAB & オンラインZoom
参加 47名(対面38名,オンライン9名)

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全国大会2023教育分科会事前アンケート

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2023年10月28 13:00~16:00 
事例発表とワールドカフェによる対話

1.分科会の流れ

ワールドカフェの進め方
・1グループ:記録&タイムキーパー係1名を含む3~5名
・参加者は8分毎にテーブルを移動(記録係はステイ)。3ラウンド程度を想定。
・参加者は対話を進める(例:自己紹介をまず一周。2ターン目で「意義」などについて自由に発言・対話。できればキャッチコピーやフレーズを作ってもらえると記録の人は助かる)
・記録係は対話を促し記録する。2R以降,冒頭でそのテーブルの対話の記録1分程度で紹介。
・最後の全体共有では,記録係がテーブルで対話記録を基にフレーズなどで全体に共有する。

2.分科会の様子

参加者 

3.分科会の結果

・自分の街の魅力に気づく。持続可能な社会を担う。学校教育から社会,家庭教育へ。
・自分の身の回りと結びつけやすい,自慢ができる地域だという愛着を育む。
・1人1人の子供たちの個性を育てる,多様な学びのあるジオパーク教育。
・理解を深める=アウトプットもして理解を深める。いろんな人やものに出会うことで考えることを促す。気づかなかったことに気づいてものの見方・考え方が育む。
・高度な専門性を持った人が教育することで子どもと大人の知識を向上させることができる。
・地域を知ることができる,そのきっかけになる。自分のジオパークを知り,他のジオパークを知ることで,より地域を知れる。
・相手の興味・関心に合わせて,実体験,遊ぶ感覚で知識の共有化を。地元の魅力をわかることが大切。ジオパーク教育の格差が心配,人口など。学校教育を進めるするためには,理科社会だけでなく国語など多様化が必要。
・立場の違いをくみあわせることで多様な活動ができる。関係市町と連携して一体して教育に取り組める。
・郷土愛を育むためには,ジオパークを通じて地域をよく知る。実体験を伴って。普通の郷土学習とも異なり,ジオパークの学びは坂道をみるとそこになぜあるのかという背景まで深堀ができる。比較が大事。他地域との共通性と差異,世界との違い。地球科学や地理学へもつながってほしい。
・地元の良さをしるため,地元に戻ってきてもらうためのツール。未来の地域づくりのためのツール。教えるために大人も学ぶ,子どもも学ぶ。
・学校だけでは触れられないところにいける。ジオパークが関わることで自然や地球の見方がかわる,視点が変わる。
・学校現場でどうやってジオパーク学習を広げるか。先生が自ら教えられるように研修や副読本を。

大会閉会式での分科会報告

教育分科会では「ジオパークの教育・学習の意義」について対話した。

ジオパークの教育の意義については改めて,地域の魅力に気づき,郷土愛の醸成につながること,地質地形,生態系そして人々の営みを包括的に捉えるとともに,その成り立ちやしくみを理解することで,ヒト・コト・モノのつながりが「ストーリー」になることが確認された。

さらに踏み込んで,ジオパークならではの視点について以下の6つの意義を挙げる。

・学びの対象をより長い時間軸で,そしてより広い空間感覚でとらえることができること。特に,身近な地域から地球までの広がりを感じることで,自分自身が「ちっぽけ」な存在であることを体感できること

・「防災」の学びにおいて災害を伝えることで人の命を守ること

・むき出しの自然をフィールドで実体験し,「え,うそでしょ?」というようなおどろき,ギャップで心が揺さぶられること

・教えるものではなく「感じてもらうこと」。自分の感性に従って深く知っていくと,分解能が高くなり,さらに感性が高まり,そこにループが生まれること

・自然を「好き」という気持ちが,知りたいという気持ちだけでなく,「守りたい」という気持ちになること

・ジオパークのネットワークを活用することで,自分の地域だけでなく他のジオパークと「比較」することで,地域への感覚がより一層研ぎ澄まされること


立場や考えによって意義は異なるが,ジオパークの教育・学習には多様が意義があることを再確認した


参考情報

今後の教育ワーキンググループ

南アルプス(中央構造線エリア)ジオパークESDダイアログ2023~自然を活用する人づくり~
🔶日時 2023年11月18日(土)13:30~16:30 (申込11月7日まで)
🔶会場 伊那市生涯学習センター 5階 研修室(長野県伊那市荒井3500番地1)
https://chubu.esdcenter.jp/hot_topics/231118-1119esd2023