近年デジタルゲームを中心とするゲーム文化の保存に対して、さまざまな機関で取り組みが進んできております。
個人でゲームの保存に取り組まれている多数の方の努力はもちろんのこと、行政、大学、NPOなどさまざまな主体がゲームのソフトやハード、関連資料の収集・保存を進めてきました。現在では文化庁もメディア芸術振興の一貫としてゲーム分野のアーカイブ化事業を支援しているほか、平成29年6月に公布された文化芸術基本法の第九条においてはメディア芸術の制作等に係る物品の保存に対して国が支援をすることが明記され、行政もこの分野を重要なものとして位置づけるようになってきています。
デジタルゲームの保存・収集にあたっては、保存・管理に関する全体の把握のための相互連携が今後ますます不可欠になってきます。デジタルゲームという新しい文化財はまだデリケートな状況にあり、様々な目的や成り立ちの機関が相互連携を通じて貴重なデジタルゲームの現物やデータの散逸・消失を防ぎ、情報を共有することが必須であるといえます。また、近年デジタルゲームの展覧会などのゲームアーカイブの社会的な利活用も盛んに行われており、こうした取り組みをより効率的に実施していくためにも各ゲーム所蔵機関の連携を強固なものにしていく必要があります。
我々発起人は、ゲーム所蔵館の連携の必要性を認識したうえで、各所蔵館が認識する問題点やノウハウの相互学習を図ることで、ゲームの保存活動を社会的により確固たるものとして成長させること、またそのための取り組みを協働して進めていくための対外的な窓口機能の構築を目的として「ゲームアーカイブ推進連絡協議会」を発足いたします。
以上
2019年1月
岩谷 徹(東京工芸大学)
川口 洋司(日本オンラインゲーム協会)
辻 哲朗(日本ゲーム博物館)
細井 浩一(立命館大学)※発起人代表
三上 浩司(東京工科大学)
森川 嘉一郎(明治大学)
ルドン・ジョゼフ(特定非営利活動法人 ゲーム保存協会)
専らゲーム保存に関連する以下の活動を行う。これらは協議会全体として実施されるものであり、本協議会の会員はそれぞれが可能な範囲での協力を行うものとする。
ゲーム文化の保存と利活用に関わる活動
会員のゲーム保存状況に関わる情報収集に資する活動
会員のゲーム保存に関わる専門的、実践的知識の向上に資する活動
組織間での所蔵目録の連携を目指した活動
その他会員が必要と判断する活動