細菌系の病気で、発生してから治療するのはなかなか困難です。切り口などから感染し、がんしゅ病事態に強い力はないものの、この病気をナシヒメシンクイ(害虫)が拡大・多発させることで病斑が広がります。この病気が発生すると樹が枯れることが多く、非常に厄介です。
予防はZボルドー水和剤(有効成分は食品添加物でも知られる硫酸銅)の散布で。同じく銅を配合し、細菌系の治療効果を持つ抗生物質と混合した薬剤”カッパーシン水和剤”も効果的です。ナシヒメシンクイは後述の虫害で紹介します。
なお、ナシヒメシンクイの防除ができていれば、ほとんど発生しません。
写真はありませんが、土壌中の菌が、樹が弱ったときに根に感染します。糸状菌ですので、トップジンM水和剤500倍の定植時かん注が効果的です。感染すると、高確率で樹が枯れます。農薬を使いたくない人も、最初だけはトップジンM水和剤を使いましょう。
なお、栽培期間中も肥料不足で樹勢が落ちるとこの病気が発生し、樹が枯れることがあるようです。肥料は微量要素までバランスよく含むハイライザーを使い、窒素やリン、カリなどの主要要素以外にもほう素やマンガンなどの微量要素を適量与えることで、栽培期間中の本病害発生を防ぐことができます。
また、樹の周辺に発生した草を刈り取った場合、株もとにマルチしてはいけません。本病害の発生を助長させる要因となります。刈り取った草は面倒ですが、圃場の外に捨てるようにしましょう。
その他の病害でまとめていますが、ごま色斑点病や輪紋病などの糸状菌病害が多発します。これらの糸状菌は収量を落とす他、果実品質低下なども引き落とし、果実の糖度が下がる原因に繋がります。
古屋農園ではアミノガードを散布して植物の病害抵抗性を向上させるとともに、病害発生時に農薬散布することでこれらの病害を防いでいます。
前述の通り、がんしゅ病を多発させる原因となる害虫です。これらの発生を放置すると、2~3年で樹が枯れる場合が有ります。
農薬で防除する場合は劇物のパダン水溶剤が最もよく効きます。
古屋農園ではパダン水溶剤を散布せず、スマートキャッチャーを設置してナシヒメシンクイを駆除することでがんしゅ病発生抑制に努めています。
スマートキャッチャーはその他の蛾やカメムシを防除できる、大変優れた製品です。(LEDで長持ちします、本体は防水性)
葉や枝、花は-3~6度の低温でもなんとか耐えられますが、幼果は-2度で凍ってしまいます。具体的には、3月以降に-2度以下になるような地域では凍害が発生します。
対策は①袋掛け ②施肥 ③潅水量 である程度防ぐことができます。(袋の種類や具体的な方法は栽培コンサルティング契約にて。)
写真は4月上旬に発生した凍害の被害です。土肥でも雪が降りました。その他、雹が果実にあたることで似たような壊死斑が出ますので、袋掛けで防ぎます。
なお、11月にカリウムを多量施肥すると耐寒性が向上することが知られています。比較的寒い地域では硫酸カリウムを1株当たり200g程度施肥するとよいでしょう。