ビワのタネは、乾燥させず、採種後すぐに播種することでほぼ100%発芽します。では、種から育てた株の特性について調べていきましょう。
採種した種は①乾燥させず、②赤玉土小玉を入れたプランター等に、③2cm程度の深さで埋めるようにして播種します。播種後はたっぷり潅水し、その後も土が乾かないように管理します。
播種~発芽までは1か月程度かかります。また、播種適期は収穫時の5月~7月が良いです。
播種後、発芽するまでは日陰においておくと良いでしょう。
答え 確率は低いですが、白ビワになる可能性があります。そもそも白ビワと普通のビワの違いは果肉にカロテノイド(βカロテン)を持つか否かの違いです。果肉が白い=劣性遺伝子のため、白ビワ同士を交配させれば白ビワになります。(白ビワと区別するため、本サイトではβカロテンを持つビワを赤ビワと呼ばせていただきます)
また、白ビワは自家受粉するため、自家受粉によって得られた種子も親の果肉が白いという劣性遺伝子を共有するため、果肉が白い”白ビワ”となります。ただし、自家受粉した場合は近交弱勢が働くため、白ビワになるが果実が小さく、病気に弱くなりがちです。
通常は異なる白ビワ品種同士を交配させ、雑種強勢という特性を持った個体の中から果肉が白く性質の良いものを選抜育種します。
なお、赤ビワが持つβカロテンは特有の香り(大手種苗メーカーはニンジン臭と例えていました)を持つため、白ビワの遺伝子を持った赤ビワであってもニンジン臭を持ち合わせています。白ビワの澄んだ芳醇な香りは、果肉が白いことに起因していると言えます。
当園では、種から育てた場合に白ビワになる確率は10分の1程度だと感じています。
前述のように、近交弱勢個体は弱く果実が小さくなる傾向にある。雑種強勢の個体の中からたまたま白ビワが出来ても、なかなか味が良くなってくれないこともしばしば。
育種は奥が深く、偶然・たまたま良い個体が発生する確率は5000分の1程度と考えるべきだと思います。