鉢の大きさは60cmポット以上が理想的です。背丈1.5~2m、横幅2m程度の栽培スペースが必要ですが、剪定して樹幹を調整すれば、アパートのベランダ程度のスペースでも栽培できます。(日当たりが良いことが必須条件です)
赤玉土7:腐葉土3程度の割合で土づくりをします。赤玉土は小粒がよく、目の細かい芝生用の土でも OKです。
土づくりの際に、石灰質肥料は絶対に入れてはいけません!石灰を入れるとリゾクトニアという菌が繁殖しやすくなり、柔らかい根や株の根元が腐ってしまう立枯病に感染しやすくなります。
また、雑草などの粗大有機物を入れると白紋羽病が発生しやすくなるため、未熟堆肥なども入れないようにしましょう。
鉢植えの肥料は、すべて追肥で補うことができるため、元肥を入れる必要はありません。(元肥を入れた場合、根痛みの原因になります)
土壌pH6.5付近の弱酸性土壌を好みます。
植穴を直径60cm × 深さ30cmほど掘り、堆肥約25Lを混ぜ込んでから植えつけます。黒ボク土などの酸性土壌(pH5.5程度)の場合は定植2週間以上前に苦土石灰50g / 穴程度を投入し、土と混ぜておきます。赤土の場合はpH調整不要ですが、水田転換地や排水不良地では積極的に暗渠を利用しましょう。土壌中には白紋羽病菌が多く生息しているため、定植直後にトップジンM水和剤500倍 10L/株 程度を流し込むと良いでしょう。
地植えの場合も、石灰質肥料は基本的に入れませんが、pH調節で入れるのはOKです。
また、雑草などの粗大有機物を株もとにマルチングすると白紋羽病が発生しやすくなるため、乾燥防止で株元にマルチしたい場合は、ビニール製の黒マルチなどを利用すると良いです。
地植えの場合は堆肥を投入するので、そのほかに元肥を入れる必要はありません。(元肥を入れた場合、根痛みの原因になります)
地植えの場合、このくらい大きくなります!
ビワは背丈5m、横幅6m程度に広がるため、しっかりスペースを確保しましょう。
日陰はNGです。
場所を確保できない場合は鉢植えにしましょう。
ビワはカルシウム欠乏やほう素欠乏が出ます。また、アンモニア態窒素を多用するとカルシウム欠乏(葉先枯れ、新芽枯れ)によって花芽が壊死します。硝酸態窒素の割合が多い化成肥料を使うか、有機質肥料を使用しましょう。
株が小さいうちは、写真のように野菜などを株間に育て、野菜に硝酸態窒素の入った肥料を施肥することで、野菜が吸い残した肥料をビワが吸います。
鉢植えの場合
10LのジョウロにハイライザーAとBを小さじ1杯ずつ入れ、毎回の潅水に薄めた肥料を混ぜて潅水するとベストです。この場合のハイライザーの施肥は1週間に1度程度でよいでしょう。ハイライザーは植物が必要とする5要素(窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム)以外に微量要素も最適量が配合されているため、ビワを栽培するにあたり、微量要素欠乏が出ません。また、肥料欠乏による連作障害も発生しないため、長期間鉢植えで楽しみたい方はハイライザーをおすすめします。
地植えの場合
7月 ビワの株1株当たりハイライザーを株元から50cmほど離した土にABともに1袋ずつばら撒く
9月 同上
1月 同上
これだけで微量要素を含む必須要素を施肥できます。
ハイライザーは植物の肥料吸収特性に合わせて成分配合された、最も完成度の高い肥料です。
その他の肥料
地植えの場合、果樹専用肥料かカンキツ専用肥料を使用できます。施肥は7月、9月、1月です。有機質肥料はカルシウム含量が少ないため、7月施肥時に有機石灰を1株当たり200g程度施肥すると良いでしょう。なお、施肥場所は樹幹下(枝葉が伸びている真下)に、なるべく均等に撒くようにします。
あまりにも大きすぎる果実や小さく形の悪い果実、傷のある果実などを摘果し、袋掛けします。なるべく大き目で形のよい果実を残すようにします。摘果と袋掛けは同時に行います。
摘果は、樹から1果実あたりに流れる養水分を集中させることで、果実を大きくする働きが有ります。摘果をすることで糖度もやや高くなる傾向が有りますが、糖度は成り過ぎでなければ摘果の有無による大差が生じません。
なお、当園で栽培しているミセスヨシエは摘果しなくても70g以上(Lサイズの卵並み)に肥大する品種のため、摘果は不要です。
着果率が良く、糖度が高くなりやすい白極も、摘果のメリットは小さいように感じます。
袋掛けは果実を紫外線から守る働きが有り、果皮に黒斑が出にくくなります。また、鳥害の影響を減らす働きもあります。なお、一部のカビ系の病害は袋掛けによる加湿で発生しやすくなるため、袋掛け直前にトップジンやスミレックス等の殺菌剤を散布すると良いです。
薬剤散布したくない方は、アミノガードを2週間に1度散布すると◎。アミノガードは病害抵抗性を向上させることができるアミノ酸資材です。肥料なので、大きいボトルで購入しても腐って効果が無くなるような心配は少ないため、5Lサイズを購入されることをお勧めします。(水に薄めて散布します、2000円程度の噴霧器でラクラク散布できます!)
一般家庭でビワを楽しむうえでは、袋掛けは行わなくても良いです。
ビワは放任でも育ちますが、果実品質を向上させたい方は剪定を行った方が良いでしょう。基本的には間引き剪定という方法で選定します。不要な枝、込み合った枝を、枝の分岐点から切り落とします
樹高を低く抑えたい場合や、収穫・選定などの作業を楽にしたい場合は誘引します。当園ではロープと杭を使って、長く伸びた枝を横に伸ばすように誘引しています。