1910年より始まった時代区分であり、大和大帝国の元号のひとつ。
先の時代の文明開化から少し経ち、国の独自色が現れ始めた時代である。
前時代の戦争の勝利を収めた政策である「富国強兵」と「殖産興業」が一定の成功を収め、西洋列強の国々と同等の国力を持つこととなった、安定期でもある。
そのため、庶民の暮らしも豊かになったことで、都会の街並みや服装もハイカラとなった。この頃には、西洋文化を取り入れた和洋折衷が溢れ始める。
大衆娯楽はこの時代に大きな発展を遂げた。
中でも、蓄音機と呼ばれる音楽を流す機械が発明されたことにより、音楽をレコードで聞くという新たな娯楽を得たのである。
天ノ海学園の食堂にも、蓄音機が設置されており、レコードを独自で購入し持ち込むことで、音楽をかけることもできる。
その他、歌唱、歌劇なども登場し地位を確立させたのはこの時代である。
一方で、命帝時代は、人々の意識が大きく転換した時期であり、文学作品には特にその傾向が顕著に表れた。
この時代に入り世間は「人々はどう生きるか」といった個人の思想を重視しはじめる。そのため、文学界隈では「私小説」と呼ばれる、自己暴露のような形で秘めた思いをを明かす風潮の作品が広がった。
この私小説という形態は、大和独自の作風と評されることも多い。
先の戦争で得た栄光による活気と繁栄に溢れた一方、自由や思想が制圧されかけていた時代、それが命帝時代である。
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君たちは「LOVE」という言葉を知っているかい?
知っている……そう。
この「LOVE」と呼ばれる言葉は、実は輸入されたばかりの言葉でね、最近「愛」という翻訳で定着してきているね。
かの有名な文学者が、「I Love you.」を「我君を愛す」と訳した生徒に対して、
「この国の人間なら『月がきれいですね』と訳しなさい」
といった話があるのを知っているかな。
つまり、つまりだよ。ほんの50年程前まで、この国には「LOVE」という概念は存在しなかったということになる――
しかし、言い換えれば、たった50年でこの「LOVE」という概念は「愛」に姿を変え大和という国に根を張った。
いやはや、人の言葉の移ろい、あるいは認識というのは目まぐるしいものだね。
ああ、話が反れた。悪いくせだね。
そう、聞きたいことがあったんだ。
かの人の思想をかりて聞きたい。
君たちは心から欲した相手に「『LOVE』という言葉をどう訳し伝える」のかな?