男子生徒について
男子生徒について
男子生徒は国におよそ750円(現代換算でおよそ300万に該当する)で売られます。
男子を売るのは、貧困にあえいでいる家庭、あるいは多くの子供を抱えた家庭が多いようです。しかし、厄介払いとして国に売り払う家庭も少なくありません。または自ら、家族のため、勉学のためと志願する者もいるようです。
この時代、学をつけるのにも、知識を得るのにもお金が必要でした。
男子を売った家族には、連絡を絶対にしないこと、彼らの存在を忘れることを承諾する誓約書に名前を綴ります。
また、国に売られた男子は、家族を含め、あらゆる知人とも連絡を断つこと、また学園で見聞きした内容はは口外しないことを承諾する旨の誓約書に名前を綴ります。
こうして、はじめて男子はこの学園に入学する許可を与えられます。
無論、双方破れば罰則が与えられます。罰則の内容に関しては、触れずにおきましょう。
しかし、これらは決して世論に知られてはいけないものです。特に、人魚の存在は。
国の自衛軍に収集された彼らは、人数が集まり次第、目隠しと拘束をされた後、自動車で数日かけて学園に向います。
自動車、というのは普及しはじめたばかりのもので、慣れない男子はこの時点で車酔いを起こしてしまうようです。
この学園への道は、自衛軍の中でも片手で足りるほどの人間しか知らず、自衛軍の上層部ですらはっきりとした位置を知る者は限られています。
当然ながら、男子生徒たちもこの学園の正確な位置は知りません。