天ノ海学園について
天ノ海学園について
この天ノ海学園が建つ土地には「天ノ海人魚伝説」という話があります。これ以降、この土地ではよく人魚が顔を出し、とうとう地上に出てくるようになりました。
ならばと、政府は彼女たちを閉じ込める学園を作りました。
地上を知らない彼女たち。そんな彼女たちが安全に暮らせるようにこの学園は建てられたのです。
しかし、その代わりに「この学園を卒業した者は、もう二度と地上に戻ることはできない」そんな約束を、交わして。
ですが、皆さんもご存じの通り、ここは箱庭として少し彼女たちには足らなかったようです。
あるときから、学園周辺の村から一人、また一人と男が消えていったのです。最終的には数十人の男が消えてしまいました。ここから先何もしなかった場合の未来は、想像に難くないですね。
ですので、それらを防ぐために、完璧な箱庭を成すために、男子生徒が送り込まれるようになりました。
また、今は男子生徒と契約を結んだ者のみが地上に残ることができるといった制約に変わっています。
しかし、契約を結ばず卒業した人魚は、否応なしに海に還され、再び地上に足をつけることはできません。それが、人と人魚がこの学園を建てる代わりに結んだ誓約なので、仕方ないですね。
この学園に入学するための、人魚たちの条件はさほど難しくありません。必要なのは既定に達した年齢と、地上に憧れるその感情。あるいは、恋を渇望するその想い。
ただ、一部の人魚たちにとってこの学園は人魚ではない血が混ざる邪魔な場所と思っている種族もいます。
そういった種族の多くは血の能力に固着しているようです。