FSAE

学生フォーミュラ

 学生フォーミュラ日本大会(Formula SAE JAPAN)は,「主役である学生が自ら構想・設計・製作した車両によりものづくりの総合力を競い産学官民で支援して自動車技術ならびに産業の発展・振興に資する人材を育成する 」ことを目的として,自動車技術会が主催しているものつくりコンペティションです.日本以外では,発祥地の米国をはじめ,ヨーロッパ各国や中国,オーストラリアなど様々な国で大会が行われています.

 大会についての詳細は大会公式サイトをご覧ください.

審査項目

 学生フォーミュラには,実際に車両を走行させる「動的審査」と,車両を走行させない「静的審査」の2種類の審査項目があります.動的審査では主に車両の走行性能を,静的審査では車両の設計思想や製造コストなどが審査されます.ただ速い車両を作ればよいのではでなく,設計能力やプレゼン能力も問われるのが特徴です.

Static Events

 Presentation

 Cost & Manufacturing

 Design

Dynamic Events

Acceleration

Skid-pad

Autocross

Endurance

Efficiency

静的審査(Static Events)

プレゼンテーション

 プレゼンテーション審査は「自分たちが製作した車両をどのように売り出すか」を評価する審査です.チームを一つの自動車会社に見立て,市場調査を行って利益が得られるような販売戦略を考えます.

コスト

 コスト審査は「車両の製作にどのくらいのコストがかかるのか」を評価する審査です.図面や製作プロセスをもとに,車両製作にかかる費用を算出します.また,実際の製作時に発生するであろうトラブルへの対処を考える「リアルケースシナリオ」と呼ばれる審査も含まれます.

デザイン

 デザイン審査は「なぜそのような設計にしたのか」を評価する審査です.車両全体のパッケージングから各パーツの設計に至るまで,走行データの分析やCADを用いた解析などから設計について説明します.

動的審査(Dynamic Events)

アクセラレーション

 アクセラレーションは,車両の加速性能を競う種目です.75mの直線コースを使用し,静止状態から全開で加速,ゴールするまでのタイムを計測します.最大2名のドライバーが走行し,各ドライバーにつき2回のタイム計測を行います.

スキッドパッド

 スキッドパッドは,車両の旋回能力を競う種目です.8の字状のコースを右旋回,左旋回の順に走行し,タイムを計測します.最大2名のドライバーが走行し,各ドライバーにつき2回のタイム計測を行います.

オートクロス

 オートクロスは,総合的な車両の運動性能を競う種目です.S字やスラロームなどが組み合わされた1kmほどのコースで,1周のタイムアタックを行います.最大2名のドライバーが走行し,各ドライバーにつき2回のタイム計測を行います.オートクロスでタイムを残すことでエンデュランスへの出走権を獲得できます.

エンデュランス

 エンデュランスは,車両の総合的な性能を競う種目です.オートクロスと同じコースを20周し,そのタイムを計測します.途中でドライバー交代を行い,各ドライバーが10周走行します.ドライバーには速さに加え,ミスなく10周走り切る集中力が求められます.

効率

 Efficiencyは,車両の燃費(電費)を競う種目です.エンデュランス走行後に燃料消費量を測定し,エンデュランスにおける燃費を算出します.学生フォーミュラでは,速さだけでなく,効率も重要な要素になります.