「NVCを生きる」ための核となる意識作り、土台作りを意図して、身体トレーニングを含めたカリキュラムを組んだのが、この「基礎づくり」コースです。
「NVCを学びたい」と思ったとき、あなたはなにを学ぼうとしているのでしょう。
NVCについての知識や情報が欲しいのでしょうか?(何のために?)
NVCを使えるようになりたいのでしょうか?
NVCとはなにか、なぜ学ぶのかを問い続け、この世界にありながらNVC意識をもって生きることにめざめていくことをサポートするのが、「基礎づくり」です。
NVCが知られるようにつれ、OFNR(観察・感情・ニーズ・お願いの、NVCを実践する際に使われる4つの要素)を解説したり練習する場などは増えてきましたが、「うまくいかない」という体験をした方は多いのではないでしょうか。
なぜそうなってしまうのか……多くの場合、無自覚な評価判断が、心からの共感を妨げているようです。
NVCでは「ジャッジ(評価判断)をしない」とよく言われます。ここでいう「ジャッジ」とは先入観や決めつけなどと関連する意味でのものですが、ジャッジをしないでいることは、そもそも可能なのでしょうか?
何かを見るとき、人はそれが何かを考えます。点がふたつ、その下に線が引いてあるだけで人の顔と判断するのは、人の想像力のおもしろさであり、人類が進化してきた過程で身に付けたスキルでもあります。人が意味付けしないでものを見ることは、人である以上不可能ではないでしょうか。
ところが、人の幸せを追求してきた人々は、やはりジャッジをしないでありのままにものを見ることが肝要であるといったことを言っているのです。禅はそのための修行をしていると言ってもいいでしょう。近年、マインドフルネスや瞑想に注目が集まっていますが、これらも同じことをめざしています。
その主な方法は、動き続けるからだを見ることです。
ありのままにものを見ることができたとき、どんな状態で、どんなことがおこるのでしょうか……それはまた、NVCとなにか関係があるのでしょうか?
まずなにより身体性に注目できるようになると、身体からOFNRが自然に湧きだし流れていきます。すなわちOFNRは必然の結果なのです。
NVCのOFNRという4つの要素を知っていても、またそれを使っていても、身体性がともなわない人をマーシャル・ローゼンバーグは「4 steppers」と呼んでいたと聞いています。
それをふまえて、ジャッジのない状態=「ゼロステップ」をOFNRのベースとして提唱するトレーナーもいます(マウイ島在住のジム&ジョリ・マンスキ氏など)。
常に立ち戻る場所・ゼロステップを自分のものにできたら、NVCはとってつけた考え方などではなく、NVCを生きることができるようになるのではないでしょうか。そのための身体づくりをしようというのが、「基礎づくり」なのです。
基礎づくりでは、マインドフルネスのトレーニングを折り込みながら、OFNRのステップが果たしている身体への影響を解き明かし、あなたの身体に共感の「土台(基礎)」をつくることをめざしています。
さらには、それをゴールとせずスタートとして、共感の世界観を身の内に育んでいこうという試みです。
今ある自分の身体が出発点です。
NVCを長く学んでいる方にも目からウロコの体験となるでしょう!
実は基礎づくりコースは、この12時間だけでは終わりません。
「自然なつながりの質にたどりつく」NVCの目的に向かうコース期間を経て、練習会グループを作ります。同じ基礎づくりを受けたメンバーで、共感サークルを作るのです。
NVCは学ぶものではなく、「できる」ようになるものでもなく、やるもの。だから、コースの終了は実は始まりなのです。
また、やっていればこそ、ぶつかる壁や疑問があります。継続的・自主的に練習していくのも、実のところ難しいものです。
「この豊かな土台(Foundation)を共有した仲間たちと、学びをさらに深めていきたい!」
という修了生の強い要望を受けて、会員制のゼミを2019年4月からスタートさせました。
ゼミでは定期的に集う場をもち、基礎づくり修了生の社会でのNVC実践を支えます。
入会資格は基礎づくり修了生であること、入会は強制ではなく希望者のみ受け付けます。詳しくは「修了生ゼミのご案内」を御覧ください。
初心者も経験者も対等に過ごす場がここにあります。「ベテランだからできる」「初心者だからできない」ということのない世界があります。
NVCは永遠の過程であり、終着点ではありませんが、めざすものはあります。それは、「自然なつながりの質にたどりつく」こと。
これからNVCを学ぶなら、まずこの精神に触れてから学んでほしい。
すでにNVCを学んでいるなら、言葉の奥の深い世界に触れてほしい。
NVCを学ぶすべての方に、このおもいが届くことを願っています。
以下の内容を予定しています。
どんな世界に住みたいですか
暴力の背景
NVCの世界観/目的と意図
NVCの身体性〜流れへ飛び込む準備
NVCの流れへ飛び込む
すべてを味わい尽くす
※ 参加者の興味関心に沿って進みますので、順序は前後することがあります。
講義内容は録画し、参加者で共有されます。録画に登場したくない方はあらかじめお知らせください。ご自身の画面を停止していただくなどお互いの負担を軽減する方法を協議しましょう。
開催決定のものはこちらで告知/未定のものは場所や日程のご要望をお問い合わせフォームからお送りください。
共感トランプナビゲーター講座(対面2日間)
共感トランプを使って、NVCを遊びながら学ぶ方法や、共感的な対話の場を作るための実践方法を2日間で学びます。地方出張あり。
NVCダンスフロア・ワークショップ(対面3日間/1日)
ブリジット・ベルグレイヴ&ジーナ・ローリーが開発したNVCダンスフロア(全9種類)を使って自己探求を深め、対話の道をさぐるNVC実践ワークショップ。
NVC錬金術 〜怒りや不満を原料に命の美しさを生みだす術〜(オンライン約2時間)
“自分ごと”から始めるNVC。遊び心満載のワークをしながら、NVCの基本を学べます。
NVC入門 〜2つの問いから〜(オンライン約2時間+対面練習会)
マーシャルが立てた「2つの問い」からNVCの基礎知識を学んだあと「共感サークル」で仲間と練習する二段構えの実践入門講座。対面受講が難しい方たちに共感的な対話の場を作るサポートをします。
表現と共感 〜評価や批判に巻き込まれず自分を生きる〜(対面1日)
身体表現を通してNVC意識を体感、喜びから行動する身体を取り戻すワークショップ。
ジャッカル・プレイパーク(対面)
栗山のぞみによる、本音のNVC練習のためのコミュニティ。東京・参宮橋にて。随時メンバー募集中。
CNVC(Center for NVC)認定トレーナー。音読療法士(音読療法協会)・朗読家(現代朗読協会)。2007年から安納献氏についてNVCを学び始め、以来10年超にわたって、国内外でのNVCトレーニングに参加しながら、数十回に及ぶ海外トレーナー招聘ワークショップやIIT(NVCの国際機関CNVCの国際集中訓練)のマネージメントに携わる。また、NVCジャパン・ネットワークのサイト立ち上げ、共感トランプやNVCダンスフロア日本版の製作等々、日本におけるNVCの普及とコミュニティづくりに尽力してきた。小中学校・ロータリークラブ・病院他各種団体に招かれて講演等、NVCを生かした子育て・教育のサポートやカウンセリングをおこなうほか、名古屋・豊橋・京都・奈良・横浜・伊勢・長野・岡山・徳島など各地のコミュニティや、市民・政治・消費者団体などからの要請に応じNVC勉強会を積極的にサポートしている。パフォーマンスアーティストとしての経験を背景に、「共感と表現」をテーマとしたワークショップなど身体性とネガティブ・ケイパビリティにもとづく、独自の視点でのNVCプログラムを展開。日本平和学会、韓氏意拳学会会員。
2007年にミキ・カシュタン(CNVC認定トレーナー、BayNVC創始者)の講座でNVCに出会い、以来日本に来日したトレーナーたちの講座および、安納献、小笠原春野、鈴木重子、水城ゆう、後藤ゆうこ・剛らの講座・勉強会等でも学びを深める。2014年12月に清里で行われたIIT(国際集中訓練)に参加。2015年、アメリカ西海岸のBayNVCが主催する1年間の「リーダーシップトレーニング」に参加。2016年、2017年はアシスタントとして参加。現在、NVCを学ぶ仲間と共に共感的コミュニケーション勉強会を文京区・冨坂で月に1回開催する他、自らの近隣コミュニテイでも定期的、不定期に開催。今後、「文章でつなぐ/食でつなぐ/つながりを伝える」の3つの柱を中心に活動を展開する予定で試行錯誤中。人身取引の撲滅を目指す国際NGO「ノット・フォー・セール」の日本支部「ノット・フォー・セール・ジャパン」の副代表でもあり、共感の欠如が「搾取」「奴隷労働」を産むと考え、NVC意識の広まりが人身取引の解決にも深く関与すると信じて、活動を続けている。