23期 広報
夏季プログラムを終えて
博物館などの文化施設の訪問を通して多くのことを学んだが、フランスという国に滞在したからこそ得られた気づきも数多くあった。
まず、人々が抱く印象は、タイミングや場所、出会った人々、その印象を抱いた人の性格などによって大きく左右されることを実感した。例えば、滞在先の言葉が話せる人と話せない人では、同じ場所でもその国や人々に抱く印象が異なるだろう。このように、経験によってもたらされる気づきには複数の要素が関わっているため、他人や自分が経験したことを一般化するのは危険であると感じた。加えて、自分の目で見て肌で感じた体験は、他者の主観とは切り離されたものではあるが、必ずしもバランスが取れているわけではなく、偏りがあるものであることを常に意識する必要があると考えた。
次に、今回のフランス滞在は、今後のフランス語学習の大きなモチベーションとなった。滞在中、フランス語が話せたらもっと相手のことを知れたのにと思う場面が多々あった。確かに英語は多くの国で話されている言語ではあるが、さまざまな国の人々との関係を深めるという点では限界がある。それゆえ、滞在先の国の言葉を話したり、話そうと努力したりすることが、相手をより深く理解しようとする意欲や、彼らへの敬意を示すことにつながるのだと気づいた。