23期 代表
夏季プログラムを終えて
今回のパリにおける夏季プログラムは、様々な困難により苦しい展開を見せる部分もあったが、一方で同じくらい刺激的な学びに彩られたものであったといえる。単なる一観光客としてではなく、議論をし、自らの思考を研ぎ澄ますため、また日仏文化の相互理解を深めるために、学生団体のメンバーとしてパリに滞在し、様々な施設を見学して、その経験に基づく思考を言語化したという経験は、なにごとによっても代えがたい貴重な思い出である。また、ホストファミリーと過ごした日々も、自らの視野を大きく拡げるきっかけになった。家族で食事するときは、食前酒に始まり、飲み食いしながら何時間にもわたって交歓を続ける、といった自分にとって全く馴染みのなかった慣習に触れたり、フランス語の単語や綴りについてギリシア語・ラテン語の語源にまで遡って考えを巡らせたり、日本とフランスの教育におけるフィクションの扱われ方について夜遅くまで議論したり……私はこういった経験ができて本当に幸せだと思う。ここに改めて、この夏季プログラムを実現するのに携わったすべてのひとへ感謝を捧げたい。ありがとう。