FAN 2024 in Fukushima, 2024.9.18(水)- 9.19(木)
日時: 2024年 9月 18日 13:00 -14:00
講師: 董 冕雄 室蘭工業大学 副学長,しくみ解明系領域 教授
略歴: 1981年上海生まれ。2006年公立大学法人会津大学コンピュータ理工学部卒業、2008年同大学院修士課程修了、2010年カナダ・ウォータールー大学訪問研究員、2013年会津大学大学院博士課程修了、博士(コンピュータ理工学)。国立研究開発法人情報通信研究機構研究員、室蘭工業大学助教、同准教授を経て、2019年より同教授、2020年より同副学長。現在、米国IEEE会員、電子情報通信学会会員、日本工学アカデミー客員会員。文科省科学技術・学術政策研究所ナイスステップな研究者(2018)、北海道科学技術奨励賞(2019)、クラリベイト・アナリティクス高被引用論文著者(2019、2021、2022、2023)、電子情報通信学会末松安晴賞(2020)、文部科学大臣表彰 若手科学者賞(2021)、AAIA Fellow(2024)等、受賞。
概要: 現在の災害管理の主流は、地震速報などの正確で迅速な予測と通知が重視されているが、完全な防災は不可能なため、災害後の迅速な対応にも注力する必要がある。また、被災地の状況をリアルタイムで把握するためには、被災地と外部との双方向の通信が必要である。従来のネットワークインフラに依存しない災害後の双方向通信を実現するため、次世代災害対応プラットフォームを設計し、主に3つの問題を解決した。1つ目は、近隣のユーザー間の接続である。2つ目は、ユーザーとアクセスポイント(AP)間の接続である。3つ目は、APと外部ネットワーク間の接続である。ユーザー間の接続には、100メートル以上の範囲でデバイス間通信(D2D)を利用する。次に、ユーザーとAP間の接続には、無人航空機(UAV)を導入し、1000メートル以上の範囲で緊急ネットワークを迅速に構築する。そして、APと外部ネットワーク間の接続には、低消費電力広域ネットワーク(LPWAN)を適用し、通信範囲を10000メートル以上に拡大する。最後に、今後の展望として、近年注目されているSemantic Communicationの技術を紹介する。UAVへ適用することで通信制約を緩和することができるため、被災地での通信がさらに効果的に行われ、救助活動の迅速化と支援の最適化が期待される。
日時: 2024年 9月 19日 13:00 - 14:00
講師: 鈴木 真二 東京大学 名誉教授,未来ビジョン研究センター 特任教授,福島ロボットテストフィールド 所長
略歴: 1977年東京大学工学部航空学科卒業、1979年同大学院工学系研究科修士課程修了。(株)豊田中央研究所を経て、1986年東京大学工学博士取得、同工学部助教授。1992年Purdue大学客員研究員を経て、1996年東京大学大学院教授。2001年総長補佐、2009年航空イノベーション総括寄付講座代表(2018年より共同代表)、2014~2017年広報室長、2018年スカイフロティア社会連携講座代表、2019年現職および東京大学名誉教授。(一社)日本航空宇宙学会会長(第43期)、(一社)日本機械学会副会長(第95期)、International Council of Aeronautical Sciences (ICAS)会長(2019-20)、(一社)日本UAS産業振興協議会理事長(2014~)、(一社)航空イノベーション推進協議会代表理事(2018~)、あいち航空ミュージアム館長(非常勤)(2017~)、福島ロボットテストフィールド所長(非常勤)(2019~)、日本学術会議連携会員(2014~)。
概要: 福島ロボットテストフィールド(RTF)は福島復興の拠点の一つとして、2020年に南相馬市と浪江町において本格開所し、無人航空機(ドローン)以外に、陸上、海上/水中ロボットのテストフィールドとともに、各種試験装置が設置され、研究者/開発者向けの長期活動拠点としての研究室が整備されている。その概要を紹介するとともに、福島RTFで実施されたドローンの研究開発事例として、NEDOプロジェクトで実施された、ドローンAI技術、AI・XR活用による革新的ドローンリモート技術、ならびにJUTM(日本無人機運航管理コンソーシアム)と共同で実施された災害時のドローン活用ガイドライン作りなどに関して紹介したい。