植食性昆虫における繁殖戦略と寄主植物の関係
〇 Masamoto H. , Kudo S. (2024) Variation in reproductive traits associated with different host plants in the subsocial bug Elasmucha putoni (Hemiptera: Acanthosomatidae). Entomological Science. 27: e12574.
植食性昆虫において,親は寄主植物に応じた子への資源配分様式を進化させてきたと予想されます.しかし,異なる寄主植物の間で親の資源配分様式が異なることを報告した例はほとんどなく,特に親が子の保護を行う亜社会性昆虫では皆無でした.そこで,異なる寄主植物を利用するヒメツノカメムシの複数サンプル間で,卵サイズや卵数,それらのトレードオフ関係など,資源配分に関わる複数の形質を比較しました.その結果,卵サイズ,及び卵サイズと卵数のトレードオフ関係にサンプル間で違いがあることを発見しました.こうした繁殖形質変異が生まれる諸要因について,主に寄主植物の違いに基づき議論しています.