ギリシャ音楽の王道「ライカ(Laïkó)」を完全ガイド!レベティコから進化した大衆音楽の歴史、ブズーキが奏でる黄金時代の響き、そしてステリオス・カザンジディスら時代を象徴する10名の伝説的歌手を詳しく紹介。ギリシャの魂を揺さぶる「人々の歌」のすべてがここに。
「ライカ」とはギリシャ語で「民衆の」「ポピュラーな」という意味を持ちます。
レベティコからの進化(1950年代〜): 第二次世界大戦後、アンダーグラウンドだったレベティコが洗練され、より広い層に受け入れられる形で誕生しました。歌詞の内容も、麻薬や犯罪から「愛・失恋・都会の孤独・労働者の苦労」へとシフトしました。
ブズーキの革命: マノリス・ヒオティスが、従来の3コース(6弦)ブズーキに1弦足して4コース(8弦)にし、ギターのように速弾きができるようにしたことで、音楽性が一気に華やかになりました。
黄金時代(1960〜70年代): 映画産業の発展と共に、劇中歌としてライカが大流行。ギリシャ人がお酒を飲みながら踊り、時にはお皿を割って盛り上がる「ブズーキア(ライブレストラン)」文化の中心となりました。
ライカを語る上で絶対に外せない、時代を作った10人を紹介します。
アーティスト名
特徴・スタイル
代表的な立ち位置
ステリオス・カザンジディス
圧倒的な声量と悲哀。労働者や移民の苦悩を歌わせたら右に出る者なし。
「ライカの神様」
グリゴリス・ビティコッツィス
巨匠テオドラキスに重用された、気高くも温かみのある歌声。
「サー(Sir)」
ストラトス・ディオニシュ
70〜80年代に君臨。重厚で男らしい「ヘヴィ・ライカ」の象徴。
黄金時代の帝王
マリネラ
圧倒的な歌唱力とステージパフォーマンス。現在も現役のレジェンド。
ライカの女王
ヴィッキー・モスホリウ
独特のハスキーボイス。都会的で哀愁漂うバラードの名手。
都会派ライカの歌姫
マノリス・ヒオティス
4弦ブズーキの創始者。演奏技術でライカをモダンな音楽へ変えた天才。
楽器の革命児
ヨルゴス・ダラーラス
ライカを世界中に広めた功労者。膨大なアルバム売上を誇る。
世界が知るギリシャの声
ハリス・アレクシウ
聴く者の心を震わせる「切ない」歌声。ギリシャで最も愛される女性歌手。
国民的女性シンガー
ヤニス・パリオス
「愛」を歌うことにかけては天才的。ロマンチックなライカの第一人者。
ラブソングの王様
パスカリス・テルジス
伝統的なライカの精神を現代に継承した、渋みのある実力派。
現代ライカの重鎮
ライカを聴いていると、思わず踊り出したくなるようなリズムに気づくはずです。
ゼイベキコ(Zeibekiko): 9/8拍子の独特なリズム。一人が即興で、苦悩を噛みしめるように力強く踊るのが特徴です。
ハサピコ(Hasapiko): もともとは「屠殺業者の踊り」から来た、みんなで肩を組んで踊る軽快なリズムです。
レベティコが「夜の酒場の煙たい空気」なら、ライカは「家族や友人と囲む華やかな宴席」のような明るさと切なさが同居しています。