- 〇〇は▽条件よりも×条件の方が高かったことが明らかとなった。□は〇〇に影響を与えることが示唆された。
- 上に示した”示唆”の内容は,完全に間違いではないけれど,意味がとても薄い
- 話をただ一般化して欲しいのではない。それは,統計学とかで保証するようなこと。
- 多くの科学的研究(すべてではないので注意)は,現象の背後に存在するメカニズムについて知りたい
- 影響を受けるってことは,どんなメカニズムを仮定すると説明がつくの? ←これに答えてほしい
- どんなことを仮定しないと現象が説明がつかないか?
- たとえば,
- 「〇〇においては視覚と触覚の情報処理が独立である」
- 「××が起きた〇〇ms後までは,**情報も統合されて処理されている」など
- こういうことを仮定しないと,今回の結果や先行研究の結果を整合的に説明することができないよねー,というのを書くのが「考察」のセクション。
- 「自分はこう思った!」を書く場所ではない。「みんなこう思うはず」という内容でなければならない。
- もちろん,これは研究の最初にしなければならない作業でもある。
- 先行研究読む(理論や実験結果)
- 整合的に説明する理論(仮定)を考える
- その理論(仮定)を検証する
- 仮定が複数個集まったものを理論と呼ぶ
- 仮定は(仮に定めた)ひとつの命題
- (その大きさは分野によるが)ある範囲の現象を説明する一般的(抽象的)な命題
- 現象ってのは観測された事実
- 詳しく知りたい方は以下の書籍を参考にしてください
- 基本はトゥールミンのモデルがベースですが,「議論の技法」全部読む必要もないので。
- S. トゥールミン「議論の技法」戸田山和久・福澤一吉訳
- 福澤一吉「議論のレッスン」
- 福澤一吉「論理表現のレッスン」
- 板口・山本「心理学レポート・論文の書き方」
- 先行研究で読んだ理論や実験結果を紹介する
- それらを整合的に説明する理論(仮定)を示す
- そしてこれがまだ検証されていないことも示す
- 理論(仮定)から演繹される仮説を示す
- 仮説を検証する方法(=実験手法)を簡潔に示す
- 仮説が正しかった際にその実験によって得られるだろう結果を,予測として示す
- 仮説が支持されたかどうかを示す
- 実験結果から示唆されること(仮定)を示す
- 当初期待していた結果が得られなくても,その実験結果から示唆されることはたくさんある!
- 先行研究との整合性についても議論が必要
- 示唆された理論・仮定の妥当性や適用範囲(限界)も示す
- 他の理論・仮定で説明される可能性についても議論する
- これからの展望(どうしたらもっと知りたいことがワカるのか)も書いてね
- (分野にもよるけど)社会的な意義や応用性についても書いてくれると嬉しい