えがっきーをつくった理由

<えがっきーをつくろうと思ったきっかけ1>

「見えないものをとらえ、考えるために、

絵を描くことが必要とされている」

話していることをその場で絵として描き出す方法が、最近、注目を集めています。「誰にとっても分かりやすい」という絵の特長を活かしたこの方法は、グラフィックレコーディングと呼ばれています。グラフィックレコーディングは、言葉だけでは見えづらい議論の論点や感情を分かりやすく表現することができるので、イベントや会議などにおいて活用されています。

また、国際色が豊かになりつつある今の社会では、さまざまなバックボーンやカルチャーを持った方たちと接点を持つことも増えています。多様な価値観を持った方たちと一緒に何かをする際に、日本語や英語といった言葉に加えて、お互いにより理解を深めるために絵が役立つことがあります。

このように見えないものをとらえるための役割としての絵の重要性が増している一方、習える場所は限られています。私たちのもとには、「もっと学びたい!」「ちょっとずつでもいいからできるようになりたい」という声が届くようになりました。

えがっきーではこうした声に答えるために、描きながら考えたり、コミュニケーションを取る方法を少しずつでも習得できるツールとして、開発に踏み切ったのです。

<えがっきーをつくろうと思ったきっかけ2>

「優れた解決策があっても、

必ずしもうまくいかないのはなぜだろう?」

私が代表を務めるグラグリッドでは、これまで数多くの企業の商品開発や組織づくりを支援してきました。たくさんの支援をしていくにつれて、ひとつの疑問を持つようになります。それは「たくさんのアイデアや優れた解決策があっても、商品開発や組織づくりが必ずしもうまくいかないのはなぜだろう?」というものでした。

この答えの出ない、漠然とした「なぜ?」という疑問を抱えながら、商品開発・組織づくりを支援しているうちに気づいたことがあります。うまくいっている商品開発や組織づくりでは、プロジェクトに関わっている人たちそれぞれの個が活きるチームづくりをしていたのです。

最初はうまくいっているプロジェクトでも、メンバーの個が活きていないチームは、時間が経つほど閉塞してゴールが遠のいてしまう。最初はうまくいかないプロジェクトでも、メンバーの個が活きているチームは、時間が経つほどゴールに向かって熱量を持って突き進んでいく。その差は明確でした。

こうした事例を見て、商品開発や組織づくりにあたっては、メンバーの個を活かしたチームづくりが大切なのではないか、と考えるようになりました。 であるならば、メンバーの個を活かすためには「自分はどんな人なのか」「自分は何をやりたいのか」「自分が大切にしたいことは何か」――そんなメンバーそれぞれの思いや考えを見える形にして、描き出す必要があります。

おそらく「個が活きるチームをつくりたい」と思っているのは、商品開発や組織づくりに関わる人に限らないでしょう。「個を活かしてチームを活かしたい」と思っている人たちの助けになる「何か」。そんな「何か」を形にしたいと思ったことから『えがっきー』を思い至りました。