知的システムデザイン研究室では、最適化(シミュレーテッドアニーリング、進化計算)技術を用いた進化的機械学習アルゴリズム、推薦システム、感情推定、ニューラルネットワーク構造の最適化、画像処理、照明システムなどの研究を行っております。
ー 研究班 ー
研究室では、Opt(Optimization)、Rec(Recommendation)、Bio(Bio Informatics)、Gen(Generative AI)の4つの班に分かれて研究を行っています。
ー Opt班 ー
Opt班では、進化計算を用いたニューラルネットワーク構造の最適化を行っています。画像分類や医療画像セグメンテーションといったタスクに対し、差分進化やVAEを組み合わせた効率的な構造探索手法、DARTSを用いた微分可能なアーキテクチャ探索などに取り組み、高性能なニューラルネットワークの自動構築を目指しています。下記に研究例を示します。
研究例1:多峰性を考慮した差分進化によるニューラルネットワーク構造の探索
概要:VAEを用いたNASによるCNN構造の自動最適化と差分進化による多峰性解決
研究例2:DARTSによるU-Net構造の最適化
概要:DARTSによって最適化したU-Net構造によるセグメンテーション精度の向上
ー Rec班 ー
Rec班では、ユーザの嗜好に基づくパーソナライズされた推薦システムの研究を行っており、協調フィルタリングやコンテンツベースフィルタリングを活用しています。また、Matrix Factorization、LDA、VAEを用いたクロスドメイン推薦、さらに知識グラフによる飲食店推薦の研究も進めています。下記に研究例を示します。
研究例1:ユーザ嗜好を強化したUser Profileに基づくRecommender VAE
概要:User Profileの追加によるユーザ嗜好を考慮した家具推薦の精度向上
研究例2:クロスドメイン推薦のための深層ユーザー嗜好転送
概要:ゲーティングを用いた高評価・低評価の分離エンコードによるクロスドメイン推薦の精度向上
ー Bio班 ー
Bio班では、脳波に基づく感情推定の研究を行っています。構造情報と時系列情報を組み合わせた手法や、強化学習、量子機械学習など様々な技術を用いて感情分析を行っています。また、脳波計測器を使い、実際に脳波のデータセットを作成しています。下記に研究例を示します。
研究例1:深層学習構造の粒子群最適化による脳波を用いた感情推定
概要:PSOによるモデルの最適化を用いて脳波データに基づく感情推定の精度向上
研究例2:GCN-LSTM を用いた脳波に基づく感情推定
概要:時系列情報の扱いに優れたLSTMと構造情報の扱いに優れたGCNを融合した脳波感情推定モデルの提案
ー Gen班 ー
Gen班では、画像生成モデルや画像解析に関する研究を行っています。主な研究テーマは、GANやDiffusion Modelを活用した画像生成です。VQGANによる形状情報とユーザ嗜好を考慮したインテリア画像生成、Stable Diffusionの量子化と初期ノイズ最適化による品質と効率の両立など、実用的な生成システムの構築を目指しています。下記に研究例を示します。
研究例1:形状情報および嗜好情報を考慮したインテリア画像生成
概要:形状情報と嗜好情報を反映した部屋画像生成手法の提案
研究例2:量子化した Stable Diffusion を用いた初期ノイズの最適化
概要:画像生成AIであるStable Diffusionが抱える「品質」と「効率」の両立という課題への取り組み