小川貫弌資料について
小川貫弌資料について
「小川貫弌資料」は、岐阜県各務原市の西厳寺に蔵されてきた、中国仏教史学者小川貫弌が残した約一五〇〇点の資料群である。小川貫弌は、昭和十四年(一九三九)四月から昭和十七年(一九四二)三月の約三年間、日中戦争下の中国に、浄土真宗本願寺派(西本願寺)の興亜留学生として派遣され、開教事業の中枢を担った南京仏学院で現地人僧侶の養成に携わる一方、中国仏教の実情調査、および、大蔵経調査に携わった。「小川貫弌資料」は、この留学時に現地で作成・蒐集したもので、原稿の下書きや覚書のような自筆メモ、さらにアルバムに貼付された写真類から成る。山西省関係のものが約四百点、南京に関する資料が約八百点(以上、アルバム貼付資料を一点として数えている)で、日中戦争下の日中交流史を具体的に跡づける資料として重要な史料的価値を持つ。今回、西厳寺住職小川徳水氏の許可のもと、特別に公開するものとする。