日中戦争下の学術調査と人的交流を探る

プロジェクト

興亜留学生小川貫弌の記録

所蔵者:西厳寺(岐阜県各務原市)

寸法:縦30.4㎝×横22.7㎝

年代:昭和16年(1941年)

西厳寺蔵「小川貫弌資料」のうち、山西省関係の資料を添付したアルバムの内容を公開したものである。昭和十七年(一九四二)六月、貫弌は北京から山西省に入り、省都である太原市中心部に所在した太原出張所(太原西本願寺)を拠点に、市内と五台山とで仏典調査を行った。本アルバムは、本願寺派の中国開教事業、および、それと密接に連携し、陸軍特務機関の支援のもとで行われた中国仏教調査の様子を具体的に示す貴重な資料である。特に、太原の写真群は、昭和十二年(一九三七)日本軍の太原攻略後、特務機関が都市計画を立て、市街地復興を図っていた頃の風景を伝えるものであり、五台山の写真・資料群は、陸軍が宗教文化工作の一環として行った五台山復興(「六月復興大会」)に関するものである点で注目される。