近年通信用のネットワークは著しく発展を見せています。特に今話題になっている5Gは、今後ミリ波と呼ばれる28GHz以上の周波数帯を使って、大容量の情報を超高速・低遅延で届けてくれます。
しかし、ミリ波は私たちが普段使っているwifiなどの5GHz以下の周波数と比べ直進性が強く、電波の損失が大きいため届きにくいエリアが発生してしまいます。そこで、我々はどのような建築の構成であれば、快適な通信環境を生み出せるのか建築的観点から研究しています。一方、建築物のライフスタイルは、数十年と長期にわたりここ急速な通信技術の発展に対応しきれていません。また、一度立ったものの構成を大きく変えるのは容易ではありません。この研究によって、現状の建築物の構成をなるべく変えることなく、通信性を向上させる簡便な方法を研究開発することを目指しています。
現在、さまざまな建築材料を用いてそれぞれの無線特性を調べる実験を行っています。実験は現在wifiで使われている、2.4GHz帯と今後使われるミリ波に相当する24GHz帯を使っており、アンテナの間に建築材料を挟み、電波の減衰傾向を測定します。今後は建築材料によって変化する電波特性や反射特性を考慮して最適な材料の組み合わせのモデルを作ることを目指しています。
また、ドローンを使った屋外における通信環境の実験を行っています。この実験は成層圏を無人飛行するHAPSと呼ばれる中継機を想定したものです。HAPSは無人航空機に基地局を乗せることで広域エリアに通信サービスを提供するシステムです。都市部から離れた山間部や災害時に活躍が想定されるはずですが、建物の屋根材などの遮断物に対してどれぐらい使えるのかを測定しています。
より詳しい内容は、上記のYOUTUBE動画をご覧になってください。