2023/2/23 13:00~
オンライン開催
DHフェス
2023
人文学+デジタル
人文学+デジタルな取り組みを気楽に話しましょう!
Inspired by 言語学フェス
開催趣旨
人文学とデジタルに関する日頃の取り組みやこれから発表したいこと、アイディアは持っているけどその後どうしたらいいか、等々、聞いてもらいたいこと、相談したいことを共有する場として、オンラインのポスター発表会を開催します。気軽にお申し込みください!
概要
DHフェス 2023は終了しました。ご発表・ご参加ありがとうございました!
日程
2023年2月23日(木・祝)13:00〜16:30(懇親会16:30〜18:00)
入退室は自由です。
会場
オンライン(oViceを使用する予定です)
参加費・参加資格
無料。研究者ではない方の参加も大歓迎です。
スケジュール
12:45〜 開場
13:00〜13:10 オープニング
13:10〜16:20 発表時間
コアタイムA 13:10〜14:40
コアタイムB 14:00〜15:30
コアタイムC 14:50〜16:20
コアタイムD 13:10〜14:00・15:40〜16:20
16:20〜16:30 クロージング
16:30〜18:00 懇親会
発表一覧
コアタイムA(13:10〜14:40)
A-1「政治エリートの関係グラフ作ってみた」ショウ・ケンライ(台湾師範大学)
本研究室(台湾師範大学中国研究センター)は、千人以上の中国政治エリートの履歴書や関連データを、DH工法で「政治エリートの関係グラフ」を作る。視覚化により、政治家の人間関係や派閥関係なども理解でき、政治構造を把握することが期待される。
A-2「言語モデルが考える日本文学作品における著者の特徴」中村梓甫、大関洋平(東京大学)
あるテキストに含まれた文体的特徴から著者を導き出す研究は著者推定と呼ばれる。本研究では、BERTに日本文学作品の著者を推定させることで、言語モデルがテキストのどこに注目して推定を行い、何を著者の特徴だと捉えているか分析と考察を行った。
A-3「言語資料のアーカイブ化を目指して:オーストロネシア語族ケラビット語のオンライン辞書計画」深谷康佳(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
マレーシアで話されるケラビット語の言語資料(辞書・テキスト)をアーカイブ化する取り組みを始めた発表者の進捗・今後の計画について報告する。具体的な方法・外注のコツ・話者にも使いやすいアウトプットについて、アドバイス求ム!
A-4「規範の伝達に関する実験および文化資源の計量的分析の試み」柿沼舞花(慶應義塾大学大学院)、中分遥(高知工科大学)、安藤寿康(慶應義塾大学)
発表者らは、情報を伝達(教示)する心理実験によって、人々が規範的な内容を伝達する傾向があることを見出してきた。当日は、この結果を発表しつつ、実際の教示場面から規範の継承を研究するため、国語の教科書を計量的に分析する計画について相談したい。
A-5「系統学的手法を用いた蛇婿入り話型の分類」久保京介、井原泰雄(東京大学大学院)
日本および朝鮮半島に分布する「蛇婿入り」民話を題材に系統学的手法による分類を行った。本発表では途中成果を示すとともに、今後の構想である有根系統樹による祖型推定ならびに民話の内容進化モデルの作成について議論を行いたい。
A-6「『言語資源学』に関する書籍の企画と展望」宮川創(国立国語研究所)
発表資料
言語資源学の新章と,これまでに『人文情報学月報』に掲載された宮川執筆の記事を中心にして編集している書籍の構成について発表する。
A-7「固有性の価値をめぐる、できるだけ情報学的な整理」亀田尭宙(国立歴史民俗博物館)
博物館資料を整理していると様々な固有性に出くわす。メタデータ無しにはそれらの固有性はあらゆる資料や概念に対してフラットにしか把握できず、メタデータの資料横断的な構造によって直接間接に表現される固有性がその価値を際立たせる。このことを事例とモデルを行き来しながら、整理・議論したい。
コアタイムB(14:00〜15:30)
B-1「都市アッシュルにおけるエジプト人アーカイブに見えるエジプト人社会―ソーシャル・ネットワーク分析を用いて―」丸小野壮太(常磐大学高等学校)、大森雄基(筑波大学)
本発表では都市アッシュルにおけるエジプト人アーカイブを対象とする。都市アッシュルにおけるエジプト人アーカイブの概説とソーシャル・ネットワーク分析を行う。以上より、都市アッシュルにおけるエジプト人アーカイブに見えるエジプト人社会を考察する。
B-2「琉球列島における民謡の文化進化」西川有理(東京大学・東海大学)、井原泰雄(東京大学)
「文化進化」の研究では、世代を超えて伝達される文化に対して進化生物学を応用することで定量的な分析を行う。我々は琉球列島における民謡の地理的な多様性について、歌の社会的コンテクストによる違いを検証し、言語や遺伝子の多様性との比較を行った。
B-3「Affordances are all you need: 生態学的に妥当な分散的意味表現モデルについて考える」吉川正人(慶應義塾大学)
ヒトは環境に埋め込まれたエージェントであり,同時に環境 自体に働きかけ,相互作用する.ことばの意味もその過程で構築され,維持され,変化する.そのような生態学的性質を取り込んだ意味表現モデルの可能性についてアイディアを交換したい.
B-4「コロナ前後の歌謡曲の祈りの形態ー計量テキスト分析からー」和田理恵、阿達藍留(東京大学大学院)
新型コロナ感染症流行前と流行後それぞれ2年間の歌詞のうち、「祈」という語を含む日本語の歌謡曲の歌詞を計量テキスト分析し、どこで、何に向かって、何を祈っているのかについて明らかにした。
B-5「デジタル技術に興味をもつ人文系院生が受けたくなる授業」石田友梨(岡山大学)
岡山大学では、社会文化科学研究科においてDigital Humanities関連の授業を提供しています。2024年度以降には教育学研究科でもデータサイエンスの学位プログラムを実施する予定です。皆様から「こんな授業があればいいな」をお聞かせいただければ嬉しいです。
B-6「ヘリテージがもたらす癒しーデジタル技術を通じて探る」青木蘭(東京大学大学院)
近年、考古学者Timothy Darvillをはじめ、ヘリテージがもたらす癒しの効果に関心が寄せられている。今回はその癒しの過程を如何にデジタル技術を援用し理解を深めることができるかを探ってゆきたい。
B-7「チュルク諸語のパラレルコーパスを作りたいのだが何をどうしたらよいのかわからず途方に暮れています」吉村大樹(東京外国語大学)
チュルク諸語訳の『星の王子さま』を用いたパラレルコーパスの構築を計画しているが、キリル文字表記、アラビア文字等の非ラテン文字系データを取り込んだあとのテキスト処理をどのように行うか、また各言語のパラレルコーパスを構築することでどのような研究が可能になるのかも含めて、詳しい方からのアドバイスや方法論などをぜひお伺いできればと思っています。
コアタイムC(14:50〜16:20)
C-1「琉球の神歌コーパス作成について」カルリノ・サルバトーレ(九州大学・一橋大学・国立国語研究所)、カーズ・バーバラ(法政大学大学院)
本発表は、琉球列島の伝統行事において琉球諸語で謡われる「神歌」のコーパスを作るプロジェクトの初期報告である。本プロジェクトでは、沖縄諸島で話される沖縄語によって謠われる神歌に焦点を当てる。神歌テキストにグロス、解釈を付与し、オンラインコーパスとして公開する。このコーパスの構築によって、言語資源として活用できる形にするだけではなく、言語と同様継承の問題のある琉球の伝統行事の記録、継承にも役に立てると言える。
C-2「万葉集の難訓歌をニューラル機械翻訳により解読する」佐々木啓晶(北陸先端科学技術大学院大学)
万葉集には難訓歌とされ未解読の歌が40首ほどある。その9番歌の前半二句が古代朝鮮語で書かれていたとの研究がある(Vovin, A. 2002)。一方でニューラル機械翻訳(NMT)により未知言語と既知言語の同根語ペアを学習し未解読言語の解読を実験した報告がある(Luo, J. 2019)。万葉集をNMTで解読するための適切な同根語ペアデータセットに関し議論したい。
C-3「民間伝承に埋め込まれた自然環境に対する知恵:計量的分析を通して」中分遥(高知工科大学)、佐藤浩輔(株式会社バンダイナムコ研究所)
これまで、発表者らは民話・民間伝承を通じて、物語には動物の生態に関する知識や、自然資源の過剰な利用を制約するような内容が含まれていることを示した。本発表は、これらの結果を発表するとともに今後の可能性について議論したい。
C-4「人文学3D研究プラットフォーム構築に向けて:江戸城和田倉門石垣3Dスキャンの報告と今後の展開に関する議論」小川潤(ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター)、北本朝展、中村雄祐、大向一輝、宮川創、山田俊幸、関慎太朗
我々は2023年2月初旬に、大手町・和田倉噴水公園において江戸城和田倉門の3Dスキャンを行った。今回はその成果物を紹介するとともに、今後の3Dモデル活用に向けて、3Dアノテーションやメタデータ・パラデータの付与、展示・分析手法、データ共有方法、モデル作成作業のスケール化等、さまざまな論点について、デモを交えつつ議論したい。
C-5「Icelandic Saga Map(ISM)に関する利活用と今後の展望について」山田慎太郎(東京大学大学院)
中世アイスランドのサガ(物語テクスト)に登場する地名をマッピングしたサガマップの機能拡張に向けた現在の構想(アイディア)を提案し、今後の展望や可能性について検討したい。
C-6「仏教学とデジタル・ヒューマニティーズ」永崎研宣(人文情報学研究所)
仏教学におけるデジタル・ヒューマニティーズの展開と今後について検討する。
コアタイムD(13:10〜14:00・15:40〜16:20)
D-1「RDFを用いた音楽理論の可視化」関慎太朗(東京大学大学院)
伝統的な西洋音楽における24の調は長調と短調に分類され、それぞれの音階を構成する音には異なる役割と名称が付けられている。このような調と音階構成音の関係性をRDFを用いて視覚化し、RDFを用いた西洋音楽理論と邦楽理論の接続について検討する。
D-2「まだ価値が定まっていないデータをどう扱えばよいか」大月希望(東京大学大学院)
現時点ではまだ価値が定まっていないようなデータや資源の収集・継承について、方法や枠組みがないだけでなく、人文系以外の研究者や一般の人々からは理解が得られにくい現状がある。今回は、ボーンデジタルなデータ、特に個人が生成する地域関連データに焦点を当て、収集と継承について考えたい。
D-3「史料としてのナイジェリア歴史新聞と計量テキスト分析の試みについて」澤田望(駒澤大学)、佐々木恭平
植民地初期ナイジェリアの新聞は、アフリカ人の主体的な情報発信手段であるとともに、集合的な自己分類化と自己表象の手段とされてきた。本研究では、計量テキスト分析を用いることで、掲載地域と掲載主題の変遷や出現する感情、文体の変化を読み解く手法を検討(相談)したい。
D-4「印欧比較言語学による喉音を想定した韻律復元に基づく『リグ・ヴェーダ』の詩人家系間の言語変種同定」塚越柚季(東京大学大学院)
博士論文の中から人文情報学に関係する箇所を抜粋し発表する。具体的には、研究手法ならびに検証可能性を担保するためのデータベースに関する章と、『リグ・ヴェーダ』讃歌の文書間類似度に関する章を扱う。
D-5「DAKit:低コストなデータ共有のための静的デジタルアーカイブジェネレータの提案」阿達藍留(東京大学大学院)
本研究では手軽にデジタルアーカイブを提供するための静的サイト生成ツールを提案する。構築されるサイトは閲覧者側のWebブラウザでの検索や画像ビューア、外部連携用のメタデータの出力機能などを備える。本手法により低コストでのデータ共有が実現され、資料活用の促進が期待される。
D-6「文系学問をガチりたくない理系勢は何を知っておけば良いか」中川奈津子(国立国語研究所)
DHではいわゆる文系と理系の協力が必要になる機会が多くなる。しかし理系勢にとって文系の学問は敷居が高そうな割に何をやっているのかよくわからない。文系の学問を理解するコツは何なのか考えたい。
発表について
募集するカテゴリー
研究紹介(研究成果や途中段階での紹介など)
事例紹介(作成したコンテンツやツールの紹介など)
教育実践(関連する授業での取り組み例)
アイディア・相談(研究の萌芽段階やアイディアの相談など)
募集する分野
人文学においてデジタル技術を応用する研究やそれに関わる実践であれば内容は問いません。
発表言語
日本語
発表方法
oVice(オンライン会議ツール)で発表していただく予定です。画面共有や口頭での発表など形式は自由です。
※発表者は当日12:00に集合してください。oViceでの発表方法を説明します。
審査
査読はありません。発表を業績として扱うかはご自身でご判断ください。
発表申し込み締め切り
2023年2月17日(金)23:59 ※締め切りました
DHフェス実行委員会
石田友梨(岡山大学) 大月希望(東京大学) 大向一輝(東京大学) 小川潤(ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター) 亀田尭宙(国立歴史民俗博物館) 関慎太朗(東京大学) 塚越柚季(東京大学) 中川奈津子(国立国語研究所) 永崎研宣(人文情報学研究所) 原翔子(東京大学) 宮川創(国立国語研究所) 山田慎太郎(東京大学)
実行委員会の連絡先:dhfes★googlegroups.com(★を@に変えてください)