DHフェス2022

人文学+デジタル

2022/2/23 13:00~

オンライン開催

人文学+デジタルな取り組みを気楽に話しましょう!

Inspired by 言語学フェス

開催趣旨

人文学とデジタルに関する日頃の取り組みやこれから発表したいこと、アイディアは持っているけどその後どうしたらいいか、等々、聞いてもらいたいこと、相談したいことを共有する場として、オンラインのポスター発表会を開催します。気軽にお申し込みください!

概要

DHフェス 2022は終了しました。ご発表・ご参加ありがとうございました!

日程

2022年2月23日(水・祝)13:00〜16:30(懇親会16:30〜18:30)

入退室は自由です。

会場

オンライン(oViceを使用します)

参加費・参加資格

無料。研究者ではない方の参加も大歓迎です。

スケジュール

12:50〜 開場

13:00〜13:10 オープニング

13:10〜16:20 発表時間

  • コアタイムA 13:10〜14:40

  • コアタイムB 14:00〜15:30

  • コアタイムC 14:50〜16:20

  • コアタイムD 13:10〜13:50・15:40〜16:20

16:20〜16:30 クロージング

16:30〜18:00 懇親会

発表一覧

コアタイムA (13:10-14:40)

  • A-1「沖縄語のUniversal Dependenciesツリーバンクの開発」宮川創(京都大学)

Universal Dependencies(UD)の係り受け分析の枠組みでは、現在(Ver. 2.9)122言語で217のツリーバンクが作られているが、日琉語族では、現代日本語と古典日本語以外のツリーバンクはまだ存在しない。本発表では日琉語族で比較的多数の書記記録を持つ沖縄語(Central Okinawan)のツリーバンクの設計について論じ、日琉語族間の統計的統語論への貢献などの利点について述べる。


  • A-5「広東語話者および北京語話者による中国語2音節軽声語の産出について」WU XUANXIN(大阪大学言語文化研究科)

広東語話者と北京語話者を対象に言語産出・知覚実験を実施した。得られたデータを統計分析を用いて、軽声の習得に影響を与える社会言語学的、理論言語学的要因を特定したうえで、それらの効果の大きさを分析した。


  • A-11「AI文字起こしを活用したフィールドデータの基礎処理-アイヌ語調査の日本語談話を例に-」岸本宜久(札幌学院大学)劉冠偉(東京大学)

フィールド調査によって得られた膨大な音声データの文字起こしは、研究者の作業課題の一つである。本発表では、アイヌ語のフィールド調査において大部分を占める媒介言語の日本語談話についてAI文字起こしを利用した事例を報告し、その有用性と今後の作業課題を検討したい。


  • A-17「社会と理論言語学の橋渡しをしたい」徳永和博(大阪大学大学院)

近年、言語学が学際的になる中で、その方法論や理論も深化し複雑になっています。それに伴い、言語学の取っ付きにくさも増しているように思います。そこで、言語学に関心がある人や知見を生かしたい人と理論言語学をもっと近づけるような仕組み(基本文献や用語を分野別にマッピングするシステム)を作りたいと考えました。まだ構想段階なのですが、実現に向けてご相談をさせて頂ければと思います。


  • A-21「DHにつなげる言語学の授業実践」山元啓史(東京工業大学)

東工大に言語学を専修する学生はいない。言語学の研究史をヒントに理学・工学の道を豊かにしてもらえたらうれしい限りである。ついでにそうして言語学を学んだ学生の中から将来、言語学のマインドを持った理学・工学出身のDH研究者が生まれるともっとうれしい。その意図で行ってきた授業実践についてご意見を伺いたく思います。


  • A-23「LDAトピックモデルによるIPAテキスト分析の試み」藤田郁(大阪大学)

本研究は,Latent Dirichlet Allocation(LDA)トピックモデリングが国際音声記号(IPA)で書かれた英文詩の韻律の分析にも応用可能性を検証することを目的とし,Alfred Tennysonの韻文作品を用いてIPAテキストや音単位のテキストを分析する際の問題点を提示する。


  • A-27「仏教絵画アーカイブ:イコノロジー(図像学)とデジタル・ヒューマニティズを結んで」相田(橋村)愛子(日本学術振興会・金沢大学)

日本中世仏教説話画のなかでもとくに『法華経』の絵画を中心に、デジタル・ヒューマニティズの手法をあれこれ試し(おもに機械学習)、このごろはテキスト解析を用いた歴史的日本語による説話場面の同定を模索している。仏教絵画を取り巻く一次テキストである経典、二次テキストである注釈書、講説、事相書の類、さらには世俗要素の強い釈教歌、説話、物語、縁起の類、……これらを虫食いではなく適切に利用したうえで解析し、絵画の主題解釈へとつなぐアーカイブ構築のために、そのアーカイブを美術史だけでなく文学、仏教学、歴史学などの諸領域においても利用してもらうために、必要な要件についてご参加の皆様と議論を深めたい。


  • A-29「古絵葉書のデジタルアーカイブ —公開のための諸問題とともに」中山景介

自身が世界各国で蒐集した古絵葉書のデジタルアーカイブシステムの構築をしたが、権利問題のため公開はできていない。今後、図像資料的研究や公的機関との連携、ユーザー参加機能を実現するにあたり、権利・技術・学術的な課題を挙げる。


  • A-33「アナログゲームミュージアム目録システムの構築」福田一史(大阪国際工科専門職大学)

ボードゲームなどゲーム文化を保存啓蒙するため2021年より発足した一般社団法人アナログゲームミュージアム運営委員会では、所蔵予定の資料管理のため目録システムを構築中である。ここでは資料特性とシステム構築のプロセスとともに、実装、データ作成での課題などについて議論する。


コアタイムB (14:00-15:30)

  • B-2「片仮名の形から漢字を組み立てる「葦手入力」の製作と構造」中山陽介(国学院大学)

片仮名の形を組み合わせることで約二万字の漢字をコンピューター上で入力可能にする、拙作「葦手入力」の紹介と、その設計構造を解説し、漢字情報処理の新しい可能性を提示したいと思います。


  • B-6「Voyant Toolsによる『唐詩選』の詩題と詩句の分析」馬艶艶(岡山大学)

『唐詩選』に収録されている詩の詩題と詩句を対象に、Voyant Toolsを用いて文字の出現回数を算出した。全体的な出現回数に基づく『唐詩選』の特徴を考察する。


  • B-8「プログラミングと統計をガチりたくない文系勢は何を知っておけば良いか」中川奈津子(国立国語研究所)

DHではいわゆる文系と理系の協力が必要になる機会が多くなる。しかし、自分がまったくわかっていないものを使って出た結論は信頼できるのかどうか確信を持ち難い。文系の立場として、プログラミングと統計がよくわからないものの主要な2つであろう。この2つをどのぐらい理解しておけばよいか、どのような教育を行えばよいかを議論したい。


  • B-12「ミステリ小説の伏線に関する構造分析」青山美月(公立はこだて未来大学)

ミステリ小説に含まれる伏線構造を分析するため、伏線を貼り方と指し示していた情報の2種類に分類した。分析した結果、用いられやすい組み合わせや避けられている組み合わせがあることが判明した。また年代間での差異も判明した。


  • B-18「VR芸術教育プログラム『eye for art 見ることは作ること!』」木原進(株式会社梅ノ木文化計畫)

VR技術を活用し、芸術創造を「見ること」「体験すること」を通して学ぶ芸術教育プログラム『eye for art 見ることは作ること!』を、公立高校での活用事例とともに紹介する。(東京国立近代美術館・武蔵野美術大学彫刻学科との共同プロジェクト)


  • B-24 「フランスの印象派絵画を対象とした計算美術史の試み」津田裕之(慶應義塾大学)

印象派の画家(モネやシスレーなど)の絵画作品が持つ知覚的な特徴が画家の年齢とともにどう変化したかを画像処理技術を用いて定量化した。その結果は、各画家の絵画様式の発展についての美術史上の知見とある程度の一貫性を示した。これは、知覚の計算論的アプローチから美術史研究に貢献できる可能性を示唆する。


  • B-28「テレビ番組でDHがしたい」関根禎嘉(慶應義塾大学)

テレビ番組をDHの対象にするための前提条件について、日本国内の状況を整理しながら議論(相談)できれば幸いです。


  • B-30「前近代アラブ都市エリートの関係性の可視化に向けて」太田(塚田)絵里奈(東京外国語大学)

マムルーク朝後期(14~16世紀初頭)を中心に、アラブ都市エリート(軍人、官僚、学者)の関係性を可視化したいと考えています。現在はアラビア語の人名録をもとに、いつ、誰が、誰から、誰を経由して「イジャーザ(学業の成就に対する免状)」を獲得したかという情報を整理しており、RDFグラフでこれらの関係性を可視化することを目指しています。


  • B-34「トピックモデルを用いた『カンタベリー物語』の特徴分析」東中巴奈(慶應義塾大学)

本発表では、潜在的ディリクレ法を用いて、14世紀の詩人、ジェフリー・チョーサーによる『カンタベリー物語』の分析を行い、作品の特徴を考察する。加えて、分析を行う際の課題についても議論する。


コアタイムC (14:50-16:20)

  • C-3「無限にプレイできるゲームを作るには」森本大翔(公立はこだて未来大学)

ゲームの問題点は、クリアすると終わりという点である。そこで私は、ゲームの続編に注目した。続編の作られ方を分析し、再現すれば無限のゲームが作れる筈である。分析の結果、続編には4つのタイプが存在することが判明した。


  • C-7「デジタル人文学の研究データの長期保存向けてに私たちができること」亀田尭宙(国立歴史民俗博物館)

今回のフェスのテーマであるデジタル人文学に焦点を当てて、研究データの長期保存の実践に必要なコトを話し合いたいと思います。どうすれば、あなたの研究データを10年後に見知らぬ誰かに届けることができるでしょうか?


  • C-9「方言×プログラミング:自然言語処理の入門書には載ってなさそうな方法でプログラミング言語を活用してみた」加藤幹治(東京外国語大学/JSPS)

「言語学でプログラミングを利用する」というと、統計処理や機械学習が想定されます。では、それ以外の言語学の分野ではプログラミングを活用できないのでしょうか?いやいや、そんなことないよ!というのを方言研究における実践例を通じて紹介したいと思います。


  • C-13「オンライン化が可能にした研究支援の新たな形」青井隼人(東京外国語大学/国立国語研究所)

コロナ禍をきっかけに始めたオンラインでの研究支援を紹介する:(1) 学術コミュニケーションに特化したセミナーやワークショップ;(2) 個人の研究課題解決を支援するコンサルティング;(3) 研究会や授業のファシリテーション。


  • C-15「学部向けにDHの授業を組み立てるには」永崎研宣(一般財団法人人文情報学研究所)

学部向けDH教育のカリキュラムと教材はどうするとよいのか、みなさんと検討できればと思っております。


  • C-19「秦漢出土簡牘データベース作成の問題点」劉聡(岡山大学)

秦漢時代の様々な制度を紐解くためには、伝世文献だけでなく、簡牘、帛書など出土文字資料も重要である。張家山漢簡『二年律令』をはじめ秦漢出土簡牘のデータベースを作成した際に、昔の漢字の入力が難しいという苦労した点を思い出し、参加者の皆様と一緒に良い方法を検討したい。


  • C-25「川合仲象『本朝小説』をめぐるデジタル化の手法の検討」劉佳佳(岡山大学)

本発表は江戸時代における川合仲象の『本朝小説』に関する研究の一環である。今回は岡山の郷土資料に基づき、作者川合仲象の生い立ちに注目し、考察していく、そしてデジタル化の疑問点を皆と一緒に検討することを目的とする。


  • C-31「言語学フェスからオンライン学術交流を考える」松浦年男(北星学園大学)・矢野雅貴(東京都立大学)

DHフェス2022がインスパイアを受けた言語学フェスの運営の方法やその経験からオンラインの学術交流の方法や意義などについて考えたところを述べる。


コアタイムD (13:10-13:50・15:40-16:20)

  • D-4「楽譜OCRソフトを用いた楽譜翻刻の実践」関慎太朗(東京大学)

大量の楽譜がPDFファイルとしてインターネットに公開されているが、文書ファイルからは音楽情報を抽出することができない。本発表では無料で利用できる楽譜OCRソフトウェアと楽譜編集ソフトウェアを利用し、PDFで蓄積されてきた楽譜資料を機械可読にする作業フローについて紹介する。


  • D-10「『お寺的な資料継承』とデジタルアーカイブ〜必要な要件の検討〜」大月希望 東京大学)

「お寺的な資料継承」の枠組みにおいて残るモノやモノに付随する情報について、デジタルアーカイブ化して活用するために必要な要件を考える。構想段階のため、参加者の皆様と共に要件を検討できれば幸いである。


  • D-14「作品に付与される情報の差異に関するネットワーク分析」原翔子(東京大学)

本研究では展覧会の構造に着目し、従来の手法の特徴をネットワーク分析から明らかにするほか、作品に描かれている内容ではない周辺情報からのキュレーションの可能性を探る。


  • D-16「デジタル資料の教育活用」大井将生(東京大学)

DH研究者が対象とする/構築する多様なデジタル資料は、各分野での研究発展に寄与するだけでなく、初等中等教育における子どもたちの深い学びに資する可能性に満ちている。本発表では、学校教育とDH研究者が扱う資料の架橋について議論したい。


  • D-20「サンスクリット(ヴェーダ)用Pythonモジュール」塚越柚季(東京大学)

ヴェーダのサンスクリットの分析のために(1)Pythonモジュールとして作成した、(2)モジュールにしようとしている。(1)の紹介とともに(2)の公開に向けての相談をしたい。(1)の例:韻律計算、翻字(IAST, Tokunaga-Fujii, Kyoto-Harvard, SLP1, CSX+, 塚越オリジナル)(2)の例:連声解除(RV学習)、POStagger(RV学習)


  • D-22「浦上玉堂の琴譜をデジタル化するための諸課題について」石田友梨(岡山大学)

中国伝来の七弦琴は、減字譜と呼ばれる独特の記譜法をもち、何番目の弦をどう弾くかを漢字一文字で表現する。浦上玉堂作曲の減字譜を例に、楽譜や特殊な文字をデジタル化する手法と課題を整理し、解決策を検討する。


  • D-26「歴史情報構造化のための方法としてのTEIとLinked Data」小川潤(東京大学)

歴史史料構造化に際して、TEIによるテクストのマークアップと、Linked Dataの構築をどのように進めるべきかについて議論したい。近年、TEIガイドラインにも、Linked Dataを扱うためのタグであるstandOffが導入され、TEIコミュニティにおけるLinked Dataへの関心はさらに高まっているようにみえる。他方、従来はTEIによらない歴史データ構築を進めてきた側からも、TEIマークアップに取り組む動きが現れており、両者の連携は今後ますます重要になってくると思われる。今回は、実践も含めた萌芽的事例を紹介することで議論を促進したい。


  • D-32「大正新修大蔵経TEI化プロジェクト紹介」渡邉要一郎(東京大学)

漢文仏典研究の基盤である大正新修大蔵経全85巻のTEI化に向け進められている研究会の成果の一部と、今後の見通し、また研究会運営に際して利用しているサービスについての紹介を行う。

発表について

募集するカテゴリー

  1. 研究紹介(研究成果や途中段階での紹介など)

  2. 事例紹介(作成したコンテンツやツールの紹介など)

  3. 教育実践(関連する授業での取り組み例)

  4. アイディア・相談(研究の萌芽段階やアイディアの相談など)

募集する分野

人文学においてデジタル技術を応用する研究やそれに関わる実践であれば内容は問いません。

発表言語

日本語

発表方法

oVice(オンライン会議ツール)で発表していただきます。画面共有や口頭での発表など形式は自由です。

※発表者は当日12:00に集合してください。oViceでの発表方法を説明します。

審査

査読はありません。発表を業績として扱うかはご自身でご判断ください。

発表申込(締め切りました)

こんな発表をお待ちしています:

      • バッハの演奏を統計分析してみた(研究紹介)

      • 3Dでローマ遺跡を再現した(事例紹介)

      • 仏典をAIで分析する環境を作った(研究紹介)

      • 人文学研究者に研究データ管理をどうやって教えたらいいか(アイディア・相談)

      • IPAで書かれた琉球語の手書き文書を機械に自動認識させたい(アイディア・相談)

      • アラビア文字ぷよぷよを作ってみたよ(教育実践)

DHフェス実行委員会

石田友梨(岡山大学) 大月希望(東京大学) 大向一輝(東京大学) 小川潤(東京大学) 亀田尭宙(国立歴史民俗博物館) 関慎太朗(東京大学) 田畑智司(大阪大学) 塚越柚季(東京大学) 中川奈津子(国立国語研究所) 永崎研宣(人文情報学研究所) 原翔子(東京大学) 宮川創(京都大学) 村井源(公立はこだて未来大学) 村川猛彦(和歌山大学) 渡邊要一郎(東京大学)

実行委員会の連絡先:dhfes★googlegroups.com(★を@に変えてください)