《学校のゆうれい》 2024       パフォーマンス、ビデオ、彫刻の破片

小さな彫刻の破片を手に持ちながら映像を鑑賞する仕組み。映像の内容は、造形に宿幽霊についてと、黒田の身内の戦争にまつわる1人語り。

「チラシに寄せた言葉」

ある日、田舎道を歩いている時に1つの土器片を拾いました。どうやらそれは弥生時代の土器片のようで珍しいものを拾ったと喜んだのでした。
その日からでした。何か得体の知れない気配がするのです。その気配はつまり幽霊の様なもので、私に何かを訴えてきます。「昔の言葉はわからないから」と相手にしなかったのですが、しかしそれでも時々は土器片を握りしめて二千年程前のことを想像したのでした。
また別の時には、ある海辺の街で1つの小さな古びたコンクリートの破片を拾いました。その破片は戦争の深い悲しみを宿していて、持っているだけで涙があふれてくるのでした。私はたまらずにその破片を放り投げたのですが、それは地面に落ちた時の衝撃で2つに割れてしまいました。
この作品は、そういうストーリーを宿した「物体」についての私なりのプラクティスのようなもので、建物、窓、扉、廊下、装飾品や記念品、彫像や絵画、あるいはそれらの破片の物語と言えます。