「ギャラリートラック」はコロナ禍において黒田が企画した移動ギャラリー展覧会のプロジェクトの総称です。参加アーティストは、飯川雄大、石黒健一、加藤翼、黒田大スケ、倉知朋之介、後藤靖香、西松秀祐、張小船 / Boat ZHANG、三原聡一郎、迎英里子らで、それぞれ個展とギャラリートークを開催していただきました。

2020年の3月頃から、新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延し、移動はもちろんのこと、日常的な普通の活動が難しくなっていった。当然、美術館やギャラリーなどでの展覧会は開催が困難となり、行政的な指導もあり中止や延期を余儀なくされていった。そこで見えてきたことは、自分の芸術活動が思っていたよりも、組織や規則の中に収まっていることだった。それまで、芸術というのはもっと勝手なもので自由であると思い込んでいたが、全然そうではなかったということがハッキリと見えた。ウイルスがどこからきたものなのか私は知らないけれど、なんとなく野生の感じがするので、野生には野生!だということで、感染症の実態がぼんやり見えてきた頃に、安全第一で作品を荷台に乗せて走り回るギャラリートラックというものを企画した。実際に私はどこにも所属していない野良アーティストだったのもあり、色々なしがらみで動きたくても動けない仲間たちを励ますつもりで、表現はいつでもどこでも誰でも可能なはずだと信じて開催した。

Webサイト→ https://sites.google.com/view/trucktrucktruck/home?authuser=0

最初は京都の街中を走り回ったのだが、広島でも開催することになり、ギャラリーミヤウチさんで振り返りの展覧会を開催したりもした。ギャラリーミヤウチ→https://miyauchiaf.or.jp/exhibition/gtruck_archive/

以下はウェブサイトより抜粋したテキスト。ギャラリートラックに関するうんちくや参加アーティストのトークなど紹介しています。ご覧ください。

本ギャラリーはトラックの荷台をギャラリーとして作品を展示し街中を走行するものです。ご鑑賞は、走行中のトラックを偶然目撃されるか、ウェブサイトのアーカイブをご覧いただく2つの方法をご用意しております。「走行中のトラックの荷台がギャラリーて、変なことするんやなあ」とお思いの方もおられるかと思います。たしかに現代においては、美術館のように建物の中に展示された作品を観るのが一般的な鑑賞方法であり野外展示の場合でも少なくとも作品は特定の場所にとどまっているものです。しかし、今こそ思い出してください!トラックはそもそもギャラリーであり、芸術は移動するものなのです!!!!!ギャラリートラックとは最もラディカルで野蛮な展覧会の形式であり、コロナの影響で美術館が機能不全にある現在において、展覧会とは何か?作品を鑑賞することは何か?と観ることそのものを問う実験的なプロジェクトです。また本ギャラリーは日本に限らず様々な国のアーティストの参加を呼びかけて展覧会を開催していきます。そしてギャラリートラックで開催された展覧会はウェブサイトにアーカイブしていきます!