A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。
評価基準の考え方と評価の留意点
(1) 目的
○本評価基準は、乳児保育における、養護と教育が一体的に展開される適切な環境の整備と保育の内容・方法の取組について評価します。
(2) 趣旨・解説
○乳児期は、発達が著しく、個人差が大きい時期であり、一人ひとりの子どもの状況に応じた保育が基本となります。未熟な乳児の健康と安全を確保し、応答的に関わる特定の大人(保育士等)との関わりによって生理的な欲求の充足や情緒の安定を図りながら愛着関係を形成するとともに、探索活動や遊びにより主体的に生きていく基盤を培います。
○保育所保育の特性は、養護と教育が一体となって、豊かな人間性を培うよう子どもを育成していくことです。生活の中で、子どもの生命の保持及び情緒の安定を図るために保育士等が行う援助や関わりである養護と子どもが健やかに成長し、その活動がより豊かに展開されるための発達の援助である教育が一体的に展開されます。
○乳児保育は、以下の事項に配慮して行う必要があります。
・ 疾病への抵抗力の弱さ、心身の機能の未熟さから、一人ひとりの子どもの発育・発達や健康状態の適切な判断に基づく保健的な対応を行う。
・ 一人ひとりの子どもの生育歴の違いに留意し、特定の保育士などが応答的に関わるよう努める。
・ 職員間や嘱託医との連携を図る。また、看護師及び栄養士等が配置されている場合は、その専門性を生かした対応を図る。
・ 保護者との信頼関係をもとに保育を進め、保護者からの相談に応じる等保護者への支援に努める。
・ 担当の保育士が替わる場合には、保育士間で協力して対応する。
○乳児が成長するうえで、最も重要なことは、人との継続的かつ応答的な関わりです。特定の保育士が、愛情豊かに優しく語りかけながら世話をすることにより、乳児は顔を見たり、表情を変えたり、声に反応したりし、子どもなりに自分の気持ちを表現していきます。
○このため、喃語(なんご)(乳児のまだ言葉にならない声)にはゆったりとやさしく応える、授乳は抱いて微笑みかけたりしながらゆったりと飲ませるなどの関わりが必要です。
(3) 評価の留意点
○一人ひとりの子どもの状態にそって、乳児保育において配慮する事項をふまえた、保育室の環境と保育士等の関わりなどの保育内容を、個別の指導計画や記録等と職員からの聴収等により確認します。
○乳児の発達過程に応じて、養護と教育の一体的な保育の取組の全体構成を明確にし、保育実践に取り組んでいるか確認します。
○送迎時の保護者との関わりや連絡帳等を通じて、保護者とどのように連携を図っているのか、また保育にどのように生かしているのかを確認します。