A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。
評価基準の考え方と評価の留意点
(1) 目的
○本評価基準では、家庭での虐待等権利侵害を受けていると疑われる子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防のための取組について評価します。
(2)趣旨・解説
○児童虐待防止法第5条では、「学校、児童福祉施設、病院その他児童の福祉に業務上関係のある団体及び学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、保健師、弁護士その他児童の福祉に職務上関係のある者は、児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならない」と規定されています。
また、「児童虐待の予防」「児童虐待の防止」「児童虐待を受けた児童の保護及び自立の支援」に関する国及び地方公共団体の施策への協力への努力義務が規定されています。
さらに、「児童及び保護者に対して、児童虐待の防止のための教育又は啓発」への努力義務が規定されています。
○保育所は、子どもの心身の状態や家庭での生活、養育の状態等を把握できる機会があるだけでなく、保護者の状況なども把握することが可能です。保護者からの相談を受けたり、支援を行うことにより、虐待発生に予防的に取り組むことができます。
○保育所では、保護者が何らかの困難を抱え、そのために子どもへの虐待等権利侵害となる恐れがあると思われる場合には、常に予防的に保護者の精神面、生活面の援助をしていくことが必要です。
○日頃から、虐待等権利侵害となる兆候を見逃さないように保護者や子どもの様子に細心の注意を払うことが必要であり、職員にもそのための意識を涵養することが重要です。
○家庭での虐待等権利侵害が疑われるような場合には、情報が施設長に必ず届くような体制を整えておくことが求められます。例えば、マニュアルの整備とマニュアルに基づく職員研修の実施等があげられます。また、施設長は速やかに児童相談所等の関係機関につなげていくことができるよう、連携体制を整えておくことが必要です。
○保育所による対応だけでは不十分であったり、限界があると判断される場合には、児童相談所等の関係機関との連携がより強く求められます。
(3)評価の留意点
○虐待等権利侵害の早期発見・早期対応のためのマニュアルとこれにもとづく組織的な取組、予防的な保護者支援の状況について確認します。
○各職員に対して、虐待等権利侵害に関する基本知識などの研修実施や、家庭での虐待等権利侵害の早期発見・早期対応について継続的に意識づけをどのように図っているかを確認します。
○関係機関等との連携については、「 25Ⅱ-4-(2)-①」で評価します。