A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫をしている。
評価基準の考え方と評価の留意点
(1) 目的
○本評価基準では、子どもが食事を楽しむことができる環境の整備と取組・工夫、家庭との連携について評価します。
(2) 趣旨・解説
○保育所における食育は「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培うために、毎日の生活と遊びの中で、自らが意欲をもって食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、大人や仲間などの人々と楽しみ合う子どもに成長していくことが期待されています。
○乳幼児期にふさわしい食生活が展開され、適切な援助が行われるよう、食事の提供を含む食育の計画を作成し、保育の計画に位置づけ、その評価及び改善に努めることが求められます。
○発達にあった調理方法や栄養のバランスはもとより、食育の観点から食生活習慣の確立、栄養・食への関心、心の健康づくりという目的に応じて一人ひとりの子どもに配慮することが大切です。
○子どもが、楽しく落ち着いて食事をするためには、以下のような食事環境の整備や工夫が求められます。
・ 食事をする部屋は、衛生的で温かな親しみとくつろぎの場となるようにする。
・ 子どもの発達に応じたテーブル・椅子・食器・食具等の配慮をする。
・ 友だち、保育士、地域の人々や保護者など一緒に食事をする人の構成に配慮する。
・ 時には戸外で食べるなどの食事のスタイルの工夫をする。
・ 食事をつくるプロセス、調理をする人の姿に触れることができるようにする。
○自分にちょうどよい食事の量は、3歳頃から徐々に判断できるようになります。自分の適量を知る経験を積み重ねていくことが必要です。また苦手なものでも自分で選んだ量は、自分にあった量として前向きな気持ちで受け止め食べることができます。「残さず全部食べた」という達成感により、食に対する前向きな気持ちを育むことが大切です。
○食事の準備や片づけ、子どもが食材に触れる体験、栄養と健康に関する体験等、子どもが「食」について関心を深めるための取組が必要です。
○家庭の食生活との関係に十分配慮しながら、保育所における食生活の充実を図ることも必要です。
○保護者に対しては、以下のような保育所での子どもの食事の様子や保育所の食育の取組を伝えるなど、食を通した支援も大切な取組です。
・ 提供した食事の写真やサンプルを掲示し、その日の献立や量を保護者に知らせる。
・ 乳幼児期の「食」の大切さを保護者に伝える取組。
・ レシピの提示、試食会などにより、栄養・味付け・食べ方など保育所で配慮している事項への関心を促す取組。
・ 保護者からの食に関する相談への対応。
(3) 評価の留意点
○食育、食に関する取組が、保育内容の一環として保育の計画(全体的な計画・指導計画)に位置づけられていることを確認し、子どもが食事を楽しむことができる工夫・取組を確認します。
○評価にあたっては、訪問調査時に子どもたちの食事の様子を観察することも有効です。
○食事が、子どもたちにとって楽しみなものとなるように検討する機会をもっているかを確認します。