Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。
評価基準の考え方と評価の留意点
(1) 目的
○本評価基準は、保育の質の向上に向けた体制整備がなされ、機能しているかを評価します。
(2) 趣旨・解説
○保育の質の向上は、日々の取組とともに、保育所全体の自己評価の実施や第三者評価の受審、苦情相談内容にもとづく改善活動等が総合的、継続的に実施される必要があります。そのため、保育所が自ら質の向上に努める組織づくりをすすめていることが重要です。
(保育所版)
○本評価項目における「自己評価」は、個々の保育士等が行う自己評価ではなく、保育所全体で行う自己評価を指します。
○保育の質の向上は、P(Plan・計画策定)→D(Do・実行)→C(Check・評価)→A(Act・見直し)のサイクルを継続して実施することによって、恒常的な取組として機能していきます。
これを具体的に示すと、保育の質の向上に関する計画策定→計画実施→実施状況の評価 →計画の見直し→必要があれば計画の変更、となります。
○保育所においては、計画策定(P)→実行(D)にとどまり、評価(C)が十分になされていないことが課題とされています。保育の質の向上に関する組織的な評価の方法の一つとして第三者評価や第三者評価基準にもとづく自己評価を活用することが考えられます。
○自己評価、第三者評価などの計画的な実施、評価を行った後の結果分析、分析内容についての検討までの仕組みが、保育所として定められ、組織的にPDCAサイクルにもとづく保育の質の向上に関する取組が実施される体制を整備することが求められます。
○保育の内容について評価し、質の向上を進めるうえでは、担当者や複数職員による担当制等を定め、保育所としての体制を整備する必要があります。また、その実施プロセスにおいてはより多くの職員の理解と参画を得ることが、取組の効果を高めるために必要です。
○保育の質の向上において、自己評価と第三者評価は一つの方法であり、この後の各評価基準で示した事項が総合的、継続的に実施されることを通じて実現されるものです。
○本評価基準は、自己評価や第三者評価の受審やそのプロセス、また、結果をもとにして組織的・継続的に保育の質の向上に取組むことの基礎となる体制を評価します。自己評価等を通じた日常的な質の向上のための取組や各評価基準において明らかになる必要とされる取組等を具体的に進める前提となるものです。
(3)評価の留意点
○日常的な保育の質の向上に向けた具体的な取組の有無とともに、自己評価、第三者評価の計画的な実施、結果の分析、分析内容についての検討までの仕組みが、保育所として定められおり、組織的にPDCAサイクルにもとづく保育の質の向上に関する取組が実施されているか総合的に評価します。
○例えば、自己評価や第三者評価等、また、日常的な保育の質の向上に向けた取組が一部の役職員のみで実施されているような場合には、組織的な取組とはいえません。