Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。
評価基準の考え方と評価の留意点
(1) 目的
○本評価基準は、保育所における保育の標準的な実施方法が文書化され、それにもとづいて保育が適切に実施されていることを評価します。
(2)趣旨・解説
○保育所における保育の提供・実践は、子ども一人ひとりの発達や状況等に応じて柔軟に行われるべきものであり、いわば標準化できる内容と個別的に提供・実践すべき内容の組合せです。
○標準化とは、画一化とは異なり、保育を提供する職員誰もが必ず行わなくてはならない基本となる部分を共通化することであり、個別的な保育の提供と相補的な関係にあるものといえます。すべての子どもに対する画一的な保育の実施を目的としたマニュアル化を求めるものではありません。
○標準化とは、各保育所における子ども一人ひとりの発達や状況等を踏まえた標準的な実施方法等を定め、職員の違い等による保育の水準や内容の差異を極力なくし一定の水準、内容を常に実現することを目指すものです。標準的な実施方法を定め、一定の水準、内容を保ったうえで、それぞれの子どもの個別性に着目した対応を行うことが必要です。
○標準的な実施方法は、文書化され、職員が十分に理解していることが不可欠です。標準的な実施方法には、基本的な保育・支援に関するものだけでなく、保育の実施時の留意点や子ども・保護者のプライバシーへの配慮、設備等の保育所の環境に応じた業務手順等も含まれ、保育全般にわたって定められていることが求められます。
○また、標準的な実施方法にもとづいて実施されていることを保育所として確認するための仕組みを整備し、標準的な実施方法にそぐわない保育が提供されている場合の対応方法についても定めておくことが必要です。
(3)評価の留意点
○標準的な実施方法については、文書化されていること、また、これにもとづいた保育の提供状況について確認します。具体的には、標準的な実施方法(文書)の活用状況と職員の理解を図るための取組や工夫、指導計画との関係性、標準的な実施方法にそった保育の提供がなされているか確認する仕組みの有無等により、総合的に評価します。
○標準的な実施方法を記載した文書は、職員がいつでも閲覧でき、日常的に活用している状態にあるか確認します。
○評価方法は、訪問調査において書面を確認するとともに、関係職員への聴取等によって確認します。
(保育所版)
○標準的な実施方法を文書化したものとは、各保育所で作成した保育の手引書、手順書、マニ ュアル等で、保育所により名称が異なります。「(2)趣旨・解説」に記載の通り、保育の 一定の水準、内容を常に実現することを目指すために保育の実施方法を明文化したものです。