Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。
評価基準の考え方と評価の留意点
(1) 目的
○本評価基準では、理念・基本方針にもとづき、経営環境と経営状況の把握・分析等を踏まえた中・長期計画(中・長期の事業計画と中・長期の収支計画)の策定状況を評価します。
(2)趣旨・解説
○「中・長期計画」とは「中・長期の事業計画」と「中・長期の収支計画」をいいます。ここでの「中・長期」とは3~5年を指すものとしています。
○中・長期計画の策定においては、経営環境等の把握・分析結果を踏まえ、その実情のもとで、理念や基本方針の具現化を図るための事業が効果的に実施できるような内容となっていることが必要です。
【中・長期の事業計画】
○「中・長期の事業計画」とは、理念や基本方針の実現に向けた具体的な取組を示すものです。保育の更なる充実、課題の解決等のほか、地域ニーズにもとづいた新たな保育の実施といったことも含めた目標(ビジョン)を明確にし、その目標(ビジョン)を実現するために、組織体 制や設備の整備、職員体制、人材育成等に関する具体的な計画となっている必要があります。
○中・長期計画については、以下を期待しています。
ⅰ)理念や基本方針の実現に向けた目標(ビジョン)を明確にする。
ⅱ)明確にした目標(ビジョン)に対して、保育の内容、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成等の現状分析を行い、課題や問題点を明らかにする。
ⅲ)明らかになった課題や問題点を解決し、目標(ビジョン)を達成するための具体的な中・長期計画を策定する。
ⅳ)計画の実行と評価・見直しを行う。
【中・長期の収支計画】
○中・長期の事業計画を実現するためには財務面での裏付けも不可欠といえます。そのため、中・長期の事業計画にしたがって「中・長期の収支計画」を策定することが必要です。
○収支計画の策定にあたっては、子どもの増減、人件費の増減等を把握・整理するなど、財務分析を行うとともに、一定の財産については保育所の増改築、建替えなど資金使途を明確にすることが必要です。
(3)評価の留意点
○本評価基準で対象としている課題や問題点とは、経営環境等の把握・分析等を踏まえた保育所として取り組むべき保育所(法人)の全体的な課題です。個々の利用者に関する課題は対象ではありません。「Ⅰ-2 経営状況の把握」を踏まえた内容となっているかなどを確認 します。
○公立施設については、施設長に与えられた職掌の範囲を考慮したうえで、本評価基準の基本的考え方にそった具体的な取組を評価します。