Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。
評価基準の考え方と評価の留意点
(1) 目的
○本評価基準は、子どもを尊重した保育についての基本姿勢が明示され、組織内で共通の理解をもつための取組が行われているか評価します。
(2) 趣旨・解説
○保育所は、子どもの人権に十分配慮するとともに、子ども一人ひとりの人格を尊重して保育を行なわなければなりません。
○一人ひとりの子どもを受容し、子どもが安心して生活できる環境を整える中で、それぞれの子どもに応じた発達を援助する保育が求められています。
○保育所内で共通の理解をもつための取組の具体例としては、倫理綱領の策定等、子どもの尊重や基本的人権への配慮に関する組織内の勉強会・研修や、実施する保育の標準的な実施方法への反映、身体拘束や虐待防止についての周知徹底等が挙げられます。
○家庭の状況に応じて、他制度の支援につなげることにより、子どもの権利擁護に努めることも重要です。
○保育所においては、一人ひとりの子どもの生活習慣や文化、考え方などの違いを知り、子どもが互いに尊重する心を育む取組が求められています。
○子どもの態度、服装、色、遊び方、役割などについて、性差への固定的な観念等を植え付けないような配慮が必要です。
○保育士だけではなく、保護者も子どもの手本になる必要があることから、保護者との日常的な対話や対応に配慮するだけでなく、保護者会などの場面で具体的な共通認識を持つよう配慮することが必要となります。
(3)評価の留意点
○福祉施設・事業所の種別や福祉サービスの内容の違いによって、利用者尊重の具体的な留意点は異なるので、保育所としての基本姿勢と、保育所全体の意識向上への取組を中心に評価を行います。保育所の基本姿勢は、理念や基本方針に明示されていることを前提とします。
○子どもの尊重について、保育所内で共通の理解をもつためにどのような努力が行われているか、具体的な取組をもとに評価します。