Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。
評価基準の考え方と評価の留意点
(1) 目的
○本評価基準では、公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われているかを評価します
(2) 趣旨・解説
○福祉サービスに関わる福祉施設・事業所においては、質の高い福祉サービスを実施する基盤となる経営・運営が、公正かつ透明性の高い適正なものである必要がありあます。これは、福祉サービスを提供する主体としての信頼性に関わる重要な取組です
○保育所の経営・運営は、保育の提供及び、業務執行に関わる「内部統制」=事業経営・運営におけるチェック体制を確立し社会的な責任を意識したものであることが重要です
○具体的には、保育所内における各種規程にそった業務の実施、意思決定の手続きや財務管理(会計処理)、また、取引・契約関係等、どの業務や過程に課題や問題が発生しやすいか保育所の実情に応じて検討する必要があります。さらに、その発生を防ぐための仕組み・体制を構築することが求められます
○保育所における事務、経理、取引等について、必要に応じて外部の専門家に相談し、助言を得ることや、内部監査を実施するなどで定期的に確認するなど事業経営・運営の適正性を確保する取組も有効です
○さらに、専門家による監査支援等での指摘事項、アドバイス等は、経営・財務の改善課題の発見とその解決のための客観的な情報と位置づけることができます。また、その結果を経営改善に活用することが必要です
○なお、ここでいう「外部の専門家による監査支援等」とは、会計監査又は公認会計士、監査法人、税理士若しくは税理士法人が実施する財務管理、経営管理、組織運営・事業等に関する指導・助言その他の専門的な支援を指します。当該法人の監事等の役職員や当該法人及びその役員等と、親族等の特殊の関係がある者が行う監査等は含めません
○特に、一定規模以上の社会福祉法人については、会計監査人の設置(公認会計士等による会計監査の実施)が義務付けられています。また、会計監査人を設置しない法人においても、ガバナンスの強化や財務規律の確立に向けて、会計に関する専門家の活用を行うことが望ましいとされています
○このため、社会福祉法人は、法人の規模にかかわらず、ガバナンスの強化や財務規律の確立により公平性と透明性を確保し、説明責任を果たす観点から、会計等に関する専門家を活用することが有効です
(3)評価の留意点
○公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が日常的に行われているか、さらに、必要に応じて外部の専門家による助言を得ているかを評価します
○また、保育所(法人)の規模を勘案したうえで、外部の専門家による監査支援等を活用し事業、財務等に関するチェックやその結果にもとづく経営改善を実施していることを評価します
○小規模な保育所については、外部の専門家による監査支援等の活用やその結果にもとづく経営改善が実施されていない場合も想定されます。保育所における事務、経理、取引等について、
①必要に応じて外部の専門家との契約にもとづき、相談し、助言を得ることで定期的に確認することなどにより、事業経営・運営の適正性を確保する取組を行うこと、
②実情にそくした経営改善の取組を行っていること、
をもって総合的に評価します
○評価方法は、訪問調査において、書面での確認と聴取により行います。なお、行政による監査は対象ではありません