Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。
評価基準の考え方と評価の留意点
(1) 目的
○本評価基準は、総合的な人事管理が実施されているか評価します。
(2)趣旨・解説
○保育所(法人)における人事管理は、理念・基本方針にもとづく「期待する職員像等」を明確にしたうえで、職員の育成、活用(採用・配置)、処遇(報酬等)、評価等が総合的に実施されること、いわゆる「トータル人事(人材)マネジメント」の考え方により実施されることが望ましいと考えられています。
○総合的な人事管理においては、主に以下の仕組みなどが一体的に運営されることが適切であるとされています。
・法人(保育所)の理念と基本方針を踏まえた「期待する職員像等」の明確化
・人事理念や人事基準の明確化と基準にもとづく運用
・職員の育成…目標管理制度、教育・研修制度(OJT 等を含む)
・活用…キャリアパス、職員配置、ローテーション、異動に関する基準等の明確化等
・処遇(報酬等)…昇任・昇格基準、給与基準、福利厚生等その他の労働条件の整備
・評価…人事考課制度等
○職員処遇の水準(賃金水準、有給取得率、時間外労働時間数等)については、地域性、保育所(法人)の特性等を踏まえながらも、同地域、同施設・事業種別間で比較・検討を行うなど、指標化しながら管理・改善することも必要です。
○職員等が、自ら将来を描くことができるような仕組みづくり=キャリアパス(昇進・昇格の基準、賃金の水準、必要となるスキルの水準、必要となるスキルを獲得するための機会(研修等)等)の明確化や職員の意向・希望を確認するコミュニケーションも重要です。
(3)評価の留意点
○評価方法は、総合的な人事管理に関する仕組み、取組を具体的に聴取して確認します。また、人事管理に関わる規程(基準)等については、書面で確認します。
○小規模な保育所については、保育所の規模や職員体制等を勘案し、その実施状況を評価します。また、大規模法人(複数福祉施設・事業所を経営する法人)における総合的な人事管理制度や人事管理モデルを一様に当てはめて、小規模な保育所を評価するものではありません。
○職員の育成における、目標管理制度についてはⅡ-2-(3)-①、教育・研修制度についてはⅡ -2-(3)-②、③で評価します。