Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。
評価基準の考え方と評価の留意点
(1) 目的
○本評価基準は、施設長が保育所の経営・管理をリードする立場として、職員に対して自らの役割と責任を明らかにしているかを評価します。
(2)趣旨・解説
○施設長は、保育所の経営・管理において、理念や基本方針等を踏まえた取組を具体化し、質の高い保育の実現に役割と責任を果たすことが求められます。
○施設長が、保育所をリードする立場として、職員に対して自らの役割と責任を明らかにすることは、職員の信頼関係を築くために欠かすことができないことです。質の高い保育の実施や、効果的な経営管理は、施設長だけの力で実現できるものではなく、組織内での信頼関係のもとにリーダーシップを発揮することが必要であり、施設長の要件といえます。
○保育所の事業経営における責任者として、自らの役割と責任を含む職務分掌等について、文書化するとともに、会議や研修において表明し職員に周知が図られていることが必要です。その際、平常時のみならず、有事(災害、事故等)における施設長の役割と責任について、不在時の権限委任等を含め明確化していることも重要です。
○法人の経営者に対しても、施設長と同様の姿勢が求められます。
(3)評価の留意点
○施設長の具体的な取組については、文書化されていること、また、会議や研修において表明するなど、組織内に十分に伝え、理解を得ることができる方法で行われているかを評価します。
参考
リーダーシップには天性の才能やカリスマ性が必要なイメージがあるが、実は・・・ P.F.ドラッカーはリーダーシップを誰でも身に付けられる能力であるとし、著書においてリーダーであることとは「リーダーシップを『仕事』と見ること」「リーダーシップを『責任』と見ること」「つき従う者がいること」の3つだと定義している。