この説明をお読みになり、研究の目的や実施内容等をご理解いただいたうえで、本研究にご参加いただける場合は別途調査員がご案内する同意書にご署名をお願いいたします。研究に参加しない、あるいは一度参加を決めた後に途中で辞退されても、不利益を被ることはありません。カップルの双方にお話をお伺いしますが、あなたの回答内容がパートナーに知られることはありません。また、パートナーの回答内容をあなたが知ることはできません。あなたの意思で研究にご参加ください。
1. 研究の意義・目的
「コペアレンティング」とは親になるカップルが共に育児に参加していく関係性を示す言葉です。今までの研究では、協力的なコペアレンティングは、仕事と家庭での役割の両立を容易にし、ストレスを和らげ、またカップル間の平等と家族のウェルビーイングを向上させることが実証されています。
このCopaGloba研究プロジェクトは、親になる過程(出産前後)で,コペアレンティングに関する認識をどのように形成するかを明らかにすることを目的としています。
日本、フィンランド、ポルトガルの3か国が参加する国際比較調査です。比較によって、社会保障制度、福祉政策や家族支援制度、文化規範がどのように一家族のコペアレンティングの形成に影響するかを明らかにします。
2. 研究方法、研究期間
この研究では、同意書に署名をいただいた後、45分から60分程度のインタビューをします。インタビュー内容は録音し、逐語録を作成して分析します。また、インタビュー後に別のアンケートにご回答ください。
なお、インタビューは2回予定しています。2回目のインタビューはおよそ1年半から2年後に行います。分析をするなかで改めてお伺いしたいことが出てくることがあります。その場合、追加インタビューをお願いすることがあります。研究期間は2023年9月までを予定しています。
3. 研究対象者として選定された理由
この研究は、第1回インタビュー調査を行う時点で、出産を1~3か月後に控えたカップルを対象としています。カップルの双方がご協力いただくことに同意し、東京近郊で調査者が直接インタビュー調査を行うことができる場所を指定してくださった方、インターネットを利用したオンラインでのインタビューに応じてくださる方にご協力をいただいております。
4. 研究への参加と撤回・辞退について
研究の趣旨をご理解いただき、ご参加ください。参加するかどうかはご自身で決定できます。説明を聞いてから断ることもできます。研究の辞退については、研究者に口頭もしくはメールにてお知らせください。断ったり、一度参加を決めたあとで辞退することになっても、何ら不利益を被ることはありません。途中で参加を辞めることもできます。その際には、それまでに収集したデータを分析対象としてよいのか、廃棄を希望されるのかをお聞かせいただければ、それに従ってデータを取り扱います。確認できなかったデータは個人情報が流出しないよう細心の注意をもって廃棄します。参加者のどちらかが調査協力を続けられなくなった場合は、調査は終了します。
5. 研究に参加することにより期待される利益
この研究に参加することにより、直接的にあなたの利益となることはありません。日本において一家族のコペアレンティングがどのように形成されるのかが明らかになり、この結果を他の国と比較することによって、社会保障制度、福祉政策や家族支援制度、文化規範がどのようにコペアレンティングに影響するのかに関する理解が進みます。研究結果を基に良好なコペアレンティングの形成に役立つ政策形成や文化規範の変化を推進することによって、社会に貢献することを期待しています。
6. 予測されるリスク、心身に対する不快な状態や影響
この研究の参加には、何ら身体的な危険は伴いません。しかし、インタビューを進めるなかで、現在や過去のつらい経験を思い出されることがあるかもしれません。話すことがつらい場合や、話したくないことが質問された場合は、無理に話さなくて構いません。また、お申し出いただきましたら、いつでもインタビューを中断します。インタビューを中断された方は研究を辞退していただくこともできますし、改めてインタビューに参加いただくこともできます。調査者または研究責任者にお伝えください。
7. 研究成果の公表の可能性
この研究の結果は、個人が特定されないよう十分に配慮・処理をしたうえで、学会発表や研究論文などを通じて公表します。
ご希望に応じて、公表に向けて原稿を準備する前に逐語録を確認していただくこともできます。インタビューの際に録音した音声を聞きながら、ご自身の発言が誤りなく引用されているか、また個人が特定できる情報が含まれていないかを確認していただくことができます。ご希望を調査者または研究責任者にお伝えください。
8. 守秘義務、個人情報、研究データの取り扱いについて
この研究でお話しいただいた内容、逐語録は研究以外の目的で使用されることはなく、守秘を約束します。また、個人情報を保護するため、質問紙及び逐語録におけるお名前は研究データから取り除き、仮名や符号に置き換えて管理します。ICレコーダーの録音データは、逐語録の確認期間後に廃棄します。2回にわたる調査のデータが同一の調査者であることが確認できるよう、またデータ開示や廃棄のご希望にお応えするため符号とお名前の対応表を作成いたしますが、逐語録と対応表はそれぞれにパスワードを設定した別の記録媒体にて保管します。原則としてデータはインターネットに接続されない状況で処理を行います。ただし、国際調査のためクラウドサービスを使用する場合は、機密管理の確保に十分注意し、また最小限の範囲で行います。同意書を含む紙媒体については鍵のかかる棚にて厳重に保管します。対応表を廃棄した後は、データ開示や廃棄のご希望にはお応えできません。また、一度論文等にて発表した後は、記載内容の修正はできないことをご了承ください。
匿名化し、個人が一切特定されない形にした研究データは、フィンランド社会科学データアーカイブに保管します。保管されたデータは、他の研究者の他の研究への利用に提供されることがあります。
9. 研究に関する資金源
この研究は、フィンランド学術協会Suomen Akatemiaの補助を受けて実施します。
9-2.2021年度開始の産前調査の参加者及びデータの取扱い
2021年12月以降に新たに参加者を募集した産前調査は、東洋大学国際共生社会研究センターの研究事業として東洋大学重点研究補助金を利用して実施します。原則として上記の1.から8.に基づいて実施しますが、調査環境の変化に伴い2回目のインタビューを実施しない場合があります。収集したデータは東洋大学の研究倫理規程に基づき取り扱い、東洋大学で保管します。
10. 研究責任者、研究者、および問い合わせ先について
この研究の責任者は東洋大学国際学部教授藪長千乃です。研究内容に関するご質問は、以下の連絡先までご連絡ください。
また、研究責任者、研究分担者の研究倫理等に関する問題が発生した場合は、東洋大学国際共生社会研究センター<email: cesdes@toyo.jp>までご連絡ください。
研究責任者:東洋大学国際学部教授 藪長千乃 yabunaga@toyo.jp
研究分担者:東洋大学国際学部助教 伊藤大将 ito120@toyo.jp
住所 〒112-8606 東京都文京区白山5-28-20 東洋大学国際学部 03-3945-8426