コミュニケーション科学研究室は、人間のコミュニケーションの本質を、言語情報と非言語情報の両方から明らかにすることを目的としています。
私たちは、人間が持つ固有の「意図共有」メカニズムをキーワードに、認知科学に関する行動実験や心理学実験を行い、他者の心的状態を推定するためのメカニズムを調べています。
指示の意図推定に関する研究:子どもは言語を学ぶために様々な手かがりを利用しています。言語を知らない状態では、他者の発する言語・非言語情報が言語情報を獲得する上で重要です。幼児や成人を対象にすることで、他者の心的状態の推測が指示動作にどのように影響しているかを調べています。Finding is that Two-year-olds are already sensitive to subtle finger movements with pointing that convey referential intentions ( Journal of Child Language で2022年に論文を刊行しました).
行為の相互作用に関する研究:この研究は、直示コミュニケーションがどのように行われているのかを焦点としています。直示コミュニケーションとは、人間固有のコミュニケーション形式であり、情報意図と伝達意図から構成されています。情報意図や伝達意図のレベルがコミュニケーションの伝達にどのように関わるかを調べています。Finding is that Adults use demonstratives and nouns to refer objects in efficient ways in joint action (International Journal of Social Roboticsで2020年に論文を刊行しました).
*小林研を配属希望先として考えている東京電機大学情報システムデザイン学系の学生のみなさんへ*
指導資格:小林は、卒業論文、修士論文、博士論文のいずれも指導できる資格を持っています。
大学院進学者への体制も万全です。
小林研究室の活動
Activities at the Laboratory
週1回、英語による各自の活動報告(趣味を含む)のトークと質疑応答をしてもらいます。中学レベルの英語でも口に出して話すのは意外に難しく感じると思いますが、やってみるとできるものです。英語のコミュニケーション力を支援し、就活のアピール力につなげます。(小林はアメリカの大学で博士学位を取得しています。)
英語が苦手な学生も歓迎します。多くの学生がなんとか英語で自分の意見を言えるように変化しています。
この活動は、単純なセンテンスでもよいので、英語を恥ずかしがらずに話すことを目的としています。トークは、5センテンス程度です。
心理学実験法について、演習を含めた輪講(英語・日本語の論文を読んで発表すること)を行います。発表力向上のために、プレゼンテーションの機会を多く設けるとともに、意見の伝わりやすさに関して指導を行います。
実験は、グループまたは個人で行います。
データを集計し、そのデータを正しく解釈し、また伝えられるように指導します。
この目的は、論理的思考を身につけることです。
大学院に進学する学生には、特に学会発表に向けた指導を行います。
修士1年生で学会発表ができるようトレーニングします。研究員(東京大学特任研究員安田哲也先生)も研究指導を行う体勢があります。
国内の学会以外にも、国際会議で発表できるような新規性の高い研究を行います。
就活指導に関しては、面接対策やエントリーシート対策を行います。コミュニケーション科学的見地からアドバイスをし、伝わりやすさ・自己アピール力の高いコミュニケーション技法も指導します。
Research Topics
コミュニケーションにおける「非」言語情報
人間は言語に加え非言語情報も使ってさまざまなコミュニケーションを行っています。非言語情報は視線・動作・ジェスチャーなどにより伝達されます。こうした情報をどのように成人が使ってコミュニケーションを円滑に行っているか、またどのように子どもが使って言語獲得をおこなっているか、実験や観察により調べます。
実際に電大生に実験に参加してもらったり、幼稚園・保育園に出かけていって子どもに参加してもらったりします。 自閉症などコミュニケーションの障害を持つ子どもたちの支援活動に加え、研究で得られた知見をもとにした支援プログラムや支援システムの制作も行っています。
コミュニケーションにおける言語情報
人間が他者と共同作業を行う際にはどのように情報のやりとりが起こるかについて、ヴァーチャル空間における作業時の会話の分析を行っています。ヴァーチャル空間では直接の対面でのコミュニケーションができないため、言語情報と空間内での行動の表示が主な情報伝達となります。こうした環境で人間はどのように情報をやりとりし行動するかを分析し、ロボットが人間と共同作業をするときの情報伝達のありかたについて研究しています。
他大学・他キャンパス・他機関との共同研究
科研費の「新学術領域共創的コミュニケーションのための言語進化学」プロジェクトに参加し、小林は認知発達班代表を務めています。その関係等で、東京大学、京都大学、慶應義塾大学、埼玉医科大学、十文字学園女子大学、の研究室と活発な共同研究を行っています。
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